無双神伝英信流 大石神影流 渋川一流 ・・・ 道標(みちしるべ)

無雙神傳英信流抜刀兵法、大石神影流剣術、澁川一流柔術を貫汪館で稽古する人のために

剣居一体?・・・4

 「森本君、剣道は忘れにゃいけんの。」
 これは無双神伝英信流の師、梅本三男貫正先生が晩年に私に語られた言葉です。
 先生は戦前、戦中、戦後と現代剣道をされておられましたが、「戦後、子供を指導しているときに打ち込ませると軍隊時代の古傷が耐えがたいほどに痛むので、剣道は止めてしまった。」と私が入門した頃に話されたことがあります。
 私自身は大学入学まで、現代剣道をしており、居合の稽古が進むとともに現代剣道と無双神伝英信流との間の耐え難い溝に悩み、きっぱりと現代剣道は忘れていましたので、先生の「森本君、剣道は忘れにゃいけんの。」という晩年の言葉は意外でもありました。
 似ていながら異質なものは、それほどまでに人の動きに影響を与えてしまうものなのかもしれません。ここで細部まで書き尽くすことはできませんが、例えば刀を抜いて構えたときの左右の足の向き、腰の開き、手の内、膝・足首・股関節のゆとり等々、見えない人が見れば全く同じ事をしているように見えるものかもしれませんが、稽古が進めば全くといっていいほど異なっているという事が見えてきます。
 一見類似した動きだけに余計に片方の影響を受けるのは避けがたいもののようです。梅本先生は現代剣道を始める時期が無双神伝英信流の稽古を始めるのよりも随分と早かったために現代剣道をされなくなって何十年も経つ晩年にまで現代剣道の影響を微妙に引こづられていたのだと思います。
 私が居合をお教しても、本人が違うことを稽古しているのだと自覚していているのにもかかわらず現代剣道の経験者はその癖が抜けず、かえって全くの初心者のほうが早く刀の扱いに上達し、刀の間合いに熟達する傾向があります。もっとも現代剣道の熟達者にはお教えしたことがありませんので、現代剣道を突き詰められた方は別であるのかもしれません。
 これは柔術にも同じことが言え、講道館柔道を学生時代に部活で稽古していたという方に渋川一流柔術の形をお教えしても、私達から見れば強引な力任せの技から離れられず、全くの初心者ほど素直に渋川一流柔術で求められる技に入っていける傾向にあります。また柔術は最終的には懐剣や刀を持った相手に素手で対するだけの業を身に付けなければならず、そのための体の備えでなければなりませんが、刃物に対する動きだということは講道館柔道を競技としてのみ学生時代に稽古された方には理解しづらいようです。しかしこれも講道館柔道を突き詰められた方は別であるのかもしれません。

 話は変わりますが、かつて梅本三男先生に教えを受けた者で、居合の指導をするのに「あなた達は足運びが悪い。」と言って集団教授法を用いて「前、前。後、後。右、右。左、左。」と現代剣道の継ぎ足の稽古をさせた者がいたということを聞きましたが、何を先生から習われたものか・・・後進は決して道を迷わないで下さい。


ホームページに無双神伝英信流の講習会の案内を載せています。ご確認ください。
  1. 2007/03/16(金) 18:14:33|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

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