戦いに勝ち息ついたとき、ふいに敵が襲ってくる場合があり、油断せず、さらに用心せよという意味で、武道でいう残心に相当します。
以前もお話ししたことがありますが、私が航空自衛隊幹部候補生学校の学生だったとき演習場で敵の陣地を分隊で攻略するという状況を与えられました。その時私は分隊長の訳だったのですが、陣地攻略後すぐに分隊を集合させ人員確認をしました。そこで指導を受けました。確かに陣地は攻略しても残余の敵が物陰に隠れて狙撃してくる可能性があるので、そこまでしっかり確認しなければなりませんでした。まだまだ武道が身についていませんでした。航空自衛隊が地上戦闘をするのは地上にいる航空機や対空ミサイルを破壊するのは空中にある航空機やミサイルを破壊するのよりもはるかに容易で安価に済むため、敵のゲリラが基地を攻撃する可能性があるからです。
余談は置いておき、形、手数の稽古では、たとえば10本続けて稽古するときに1本ずつ気を抜かず10本を1本として使わなければなりません。また1本として使ったとしても礼法が終わり退場するまでは続きであり気を抜いてはいけません。それは残心がないことになります。残心をもっと広げていえば日常の起居進退全てに係ることになります。
- 2016/01/07(木) 21:25:00|
- 居合・剣術・柔術 総論
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