無双神伝英信流 大石神影流 渋川一流 ・・・ 道標(みちしるべ)

無雙神傳英信流抜刀兵法、大石神影流剣術、澁川一流柔術を貫汪館で稽古する人のために

無雙神傳英信流抜刀兵法 六段 論文

受審課題 :無雙神傳英信流抜刀兵法普及の方策について論じなさい。

前言
 無雙神傳英信流抜刀兵法普及の方策について、まず貫汪館の現状の方策について分析し、続いて現在は行っていない方策について検討してみようと思う。

Ⅰ.現状の方策について
 現在、貫汪館の本部道場、地方道場、各支部において行われている普及の方策は、次のとおりである。
 それぞれ、内容の説明、特徴、その効果の順でおおむね記述することとする。

1.チラシ、ポスター、会報の作成
(1)チラシ
 昔ながらの紙媒体である。道場名、流派名、稽古場所、稽古時間、キャッチコピーなどを記載して、地区センターやスポーツセンター、店頭などに置いたり、掲示板に掲示する。
 作成が容易で費用も掛からず、設置や掲示も比較的簡単なため、本部道場、地方道場、各支部で行っている。
 しかし、実際の効果はあまりないようである。チラシを見て入門という話は今のところ聞いていない。
(2)ポスター
 貫汪館主催の奉納演武や講習会の際に作成し、会場周辺などに掲示している。またその画像をフェイスブックへの投稿にも利用している。
 開催場所、日時、参加費、内容などを記載して、派手な画像を配置し、デザインを工夫する必要がある。ただ、専用のソフトがないと作成も難しく、手間の掛かる作業と言える。また、カラーインク、大型のポスター専用用紙などは費用もかなり高額なものとなる。
 普及というよりは、奉納演武や講習会の単発の宣伝、集客効果が見込まれる。
(3)会報
 年に数回、会報を作成しており、行事報告が主な内容である。
 主に、柔術の子供の門人の家族への配布が目的であるが、PDFファイルとして本部ホームページへもアップしている。
 外部に向けての普及というよりは、内部広報が目的と言える。

2.都道府県、市区町村への団体登録
 これも昔ながらの方法で、道場が所在する各都道府県、市区町村など役所へ団体登録を行う。チラシ同様、道場名、流派名、稽古場所、稽古時間、キャッチコピーなどを記載して、団体登録を行う。
 役所が相手のため平日に調整を行う必要がある場合がほとんどであるが、登録は比較的簡単な場合が多く、通常は費用も掛からない。
 やはり本部道場、地方道場、各支部で行っているが、実際の効果はほとんどないようである。登録情報を見ての入門という話は今のところ聞いていない。おそらく、武道の道場を探す手段として、役所に問い合わせるという発想はあまり一般的ではないのであろう。

3.インターネットの利用
(1)武道の検索サイトへの登録
 武道団体専用の検索サイトがいくつか存在する。武道から格闘技まで一緒のサイトから、居合だけのジャンル分けができているサイトまで様々である。
 登録はインターネットで行えるので、場所と時間の制約がない点は負担が少ない。入力項目は基本的なものだけのサイトから、所属連盟まで登録できるサイトまで様々である。またすぐに反映するサイトもあれば、反映までの日数が掛かるサイトもある。
 検索サイトの効果は、何件か確認されている。検索サイトで検索して、見学体験に来て入門した、という話を聞いている。
 ただ、登録すればすぐに問い合わせがある、というほどの爆発的な効果は期待できない。他にも多数の団体が登録されており、目立つための工夫が必要ということかもしれない。また、これから武道を始めようという人間は、そもそもこういった検索サイトがあること自体を知らない場合も多いようである。
(2)ホームページ
 本部道場のホームページは平成16年開設であり、すでに10年以上が経過している。当初、流派紹介や稽古場所、稽古日時の紹介から始まり、会報の掲載、行事のギャラリー、ブログのアップなど、常に更新を行っている。また地方道場、各支部の設立に伴い、それぞれの道場、支部のホームページも開設した。
 以前は、ホームページを開設するためには専用ソフトが必要で、HTMLなどの専門的で高度な知識も必要とされたが、現在はフリーのページも提供されており、HTMLなどの知識がほとんどなくても簡単に開設できるような環境となっている。
 ホームページには効果が認められている。ホームページを見て講習会に参加した、見学体験に来た、入門したという話を多数聞いている。地元で武道を始めたいという人間は、現代ではまずインターネットで検索するということが多いであろう。その際、ホームページは重要な役割を果たす。
 その場合、SEOは重要である。地元住民の注目を集めるためには、地元の地名は必須である。また、「貫汪館」や「無雙神傳英信流抜刀兵法」といった単語を含めるのは当然のことであるが、それよりも「古武道」「居合」といった一般的な単語を含めた方が効果が高い。これから武道を始めようという人間は、専門用語を知らないのだから、これは当然と言える。
(4)ブログ
 本部ホームページにおいて、ブログ「道標」を館長が毎日更新している。貫汪館の方針、館長の考え、活動報告、無雙神傳英信流抜刀兵法について、大石神影流剱術について、澁川一流柔術について、などがアップされている。
 また、各支部の稽古日誌もブログの一種であると言える。
 比較的古い媒体ではあるが、情報発信としては有効な手段の一つであると思われる。
(5)フェイスブック
 貫汪館では現在、フェイスブックを活用している。これは宣伝、という意味ではとても効果が高く、情報発信の場となっている。毎日の館長のブログの更新、支部の稽古日誌の更新、講習会の告知、奉納演武の告知、などなど。
 年代が上の世代やパソコンが苦手な人間には抵抗があるようであるが、慣れれば簡単なものである。パソコンがなくても、スマートフォンから簡単に更新、閲覧ができるのも強みの一つである。
(6)ツイッター
 ツイッターの公式アカウントも作成されているが、現在は活用されていない。
 情報拡散という点では圧倒的な力を有しており、活用が望まれる。

4.友人、知人、職場の同僚への勧誘、口コミ
 友人、知人、職場の同僚への勧誘である。武道に興味がある人間がいれば、すでに見学体験、入門しているかもしれない。
 本部道場において、ヨガや瑞穂舞の講習会の際には行われており、単発の付き合いでの参加はあるが、入門にまでは至っていないのが実情である。
 一方、口コミによる入門も確認されている。友人、知人、職場の同僚への勧誘と異なり、積極的なものではなく、結果として効果があったということであろう。普段から良好な道場運営を行っていることにより、結果として人の輪が広がるものであり、ただやみくもに宣伝をすれば良いというものではないであろう。

5.講習会の開催
(1)本部講習会
 本部では、毎年数回の講習会が開催されている。
 会場の確保、事前の準備、当日の運営、片付け、定例稽古日以外(主に週末)の利用、といった手間はあるが、一般からの参加があったり、以前から興味があった人間の参加があったり、地方から参加してそのまま入門というケースもある。
 一定の効果はあり、今後も定期的な継続が望ましいと思われる。
(2)支部講習会
 横浜支部において年二回開催されている。
 本部講習会と同様の手間が掛かり、本部から館長を招聘するために交通費が掛かるなどのコストは必要だが、やはり一定の効果は見込まれる。
 入門にまでは至っていないが、知名度を上げるといった点では効果があると思われる。
(3)外国人向け講習会
 武道に興味のある外国人は多い。しかし、言葉の壁があって、参加をしないことが多い。
 外国人向けに、外国語のポスター作製、ホームページへの掲載などが必要となる。
 今までにも参加実績があり、外国人の入門者もいる。
 いずれ、外国支部が設立されることもあるであろう。

6.演武大会、奉納演武、各種イベントへの参加
(1)演武大会
 貫汪館では以前より、日本古武道協会主催の日本古武道演武大会などに参加している。
 広島からの参加は交通費などのコストが掛かる点が問題と言えるか。
 ただ当然、これにより知名度は上がり、演武を見れば他との違いもわかり正しい認識につながることが期待できる。また、その演武を見て興味を持ち、見学体験、入門というケースもある。効果は高いものと言える。
(2)奉納演武
 同様に、日本古武道振興会が主催の明治神宮、下鴨神社、白峯神宮での奉納演武などに参加している。また近年、貫汪館において出雲大社での奉納演武も主催している。今年は、貫汪館設立20周年記念として、貴船神社、松尾大社、石清水八幡宮での奉納演武も主催した。
 主催する際には、事前の準備、調整、当日の運営といった手間は大変なものがあるが、知名度を上げる、実績を作る、といった点では効果的であろう。演武大会と同様の効果が見込まれる。
(3)各種イベント
 古武道関係の行事があれば、積極的に参加している。演武大会、奉納演武と同様である。また、古武道と直接関係がなくても、関連があるイベントであれば、可能な限り参加している。講演の際に演武するなど。
 観光客や外国人相手の場合、集客効果も高く、その場では大変喜ばれるが、けっきょくはその場限りのものであることが一般的である。ただ、波及効果は見込まれる。
 お祭りの際の出し物としての演武は行っていない。軽いパフォーマンスとみられる危険性があるためである。ただし、地元への周知という意味では効果が高いものと思われる。
 筑波大学での古武道体験プログラムにおいては、留学生に大変な好評を得た。
 嵐山伝統武道奉賛会が主催の嵐山伝統武道大会は、嵐山駅はんなり・ほっこりスクエア2周年感謝際の一環として嵐山駅前特設会場で開催された。貫汪館では、無雙神傳英信流抜刀兵法、大石神影流剱術、澁川一流柔術の演武を行ったが、真夏の暑い陽射しが容赦なく照りつける中、たくさんの観光客が熱心に観覧していた。

7.古武道振興会、古武道協会への加盟
 貫汪館は、古武道振興会と古武道協会へ加盟をしている。
 上述のとおり、古武道振興会、古武道協会が主催の演武大会などに参加している。
 入会費、年会費などが掛かることと、行事参加のための交通費が掛かることがネックか。

8.組織力の強化(NPO法人化、支部の設立、昇段審査)
(1)NPO法人化
 貫汪館は今年、創立二十周年の節目の年を迎え、組織をNPO法人化した。
 所管の都道府県に書類を提出しなければならず、約款の作成や役員の選出、法人登記簿の作成など、準備には大変な手間が掛かる。また、NPO法人化後も、収支報告や事業報告などが必要となる。
 しかし、NPO法人化することで、社会的な信用度は一気に上がる。地方の一町道場と、都道府県の認可を受けた法人では、その信用度は比べるまでもない。
 各種助成金の申請の際にもその信用度は重要なものである。門人増加に直接関与するものではないが、重要なことである。
(2)支部の設立
 地方に入門希望者がいても、地方から広島へ通うのは困難が伴う。各地方に支部があれば、入門は容易なものとなる。また、転勤などがあった場合でも、各地方に支部があれば稽古を続けやすくなる。
 実際、日本古武道振興会が主催の明治神宮での奉納演武の際や、日本古武道協会が主催の厳島神社での奉納演武の際には、見学客から地方に支部はないのかと問い合わせをされたことが何度かあると聞いている。当時は支部が存在せず、案内ができなかったと。
 現在は、横浜、名古屋、大阪、久留米などに支部があり、地方での入門が可能である。
 ただし、支部を任せられる支部長を育成する必要があり、人材と年数が必要となる。
(3)昇段審査
 せっかく入門しても、その稽古が続かなければ意味がない。古武道の伝統的な免許段階を守る必要もあるが、修業者のモチベーション維持のためにも、昇段審査は有効な手段と言える。
 流派ごと段位別の審査課目や論文課題、審査基準の策定、合否の判断などが必要となる。
 ただし、昇段を機により一層の稽古に励む者ばかりとは限らず、昇段によってかえってモチベーションが下がる者もいる。また、段位を笠に着る者もいるかもしれない。良い点ばかりではなく、その弊害にはよくよく注意すべきであろう。

9.日本武道学界での論文発表
 館長は日本武道学界の会員であり、以前から論文を発表している。
 古武道は日本の伝統文化であり、武道史の研究は必須である。
 研究のための費用は膨大なものとなるが、貫汪館は単に技を伝えるだけではないという証となるであろう。

Ⅱ.現在行っていない方策
 現在、貫汪館で行っていない普及の方策には、以下のものがある。

1.居合道連盟等への加盟
 現代居合道、あるいは古武道としての居合道場が所属している連盟は複数ある。
 しかし、貫汪館は現在、これらいずれの連盟にも加盟はしていない。それは、たしかに加盟することによって道場の人数は増えるだろうが、それによる弊害もあるからである。
 それぞれの連盟にある制定居合を稽古しなければならなくなる。自流のみの稽古では、行事への参加が制限され、加盟の存続はなにかと難しいものとなるであろう。
 昇段審査や競技大会の存在があり、自流の業のみを稽古していれば良いということにはならない。昇段審査や競技大会があれば、それに参加したくなるのは人情であり、参加する以上は優秀な成績を収めたいと思うものである。そうなれば当然、自流の稽古がおろそかになる危険性がある。また、昇段審査や競技大会とは関係のない太刀打や詰合、大小詰などの稽古はなおさらであろう。
 他者に判断を求める昇段審査や競技大会においては、どうしても見栄え重視となりがちである。それでは、貫汪館で伝える無雙神傳英信流抜刀兵法普及の本質から離れてしまうことになる。それは避けなければならない。普及のために本質を犠牲にしてしまっては、本末転倒というものである。
 連盟は複数の流派が所属するものだが、上述のとおり昇段審査や競技大会があるため、どうしても統一された価値観になりやすい。そういった価値観は、貫汪館の求めるものではないのである。

2.娯楽メディア
 小説、マンガ、ゲーム、映画などに剣術、居合の流派が登場することにより、一時的なブームになることがある。
 こちら側から積極的に仕掛けるようなものではないが、結果的に普及につながることがあるかもしれない。

3.動画サイトへの動画アップ
 動画サイトへの動画アップである。各地での奉納演武を撮影した第三者がアップしている動画を散見するが、貫汪館としては積極的に行ってはいない。
 無雙神傳英信流抜刀兵法は古武道であり、秘伝と公開のバランスが難しいというのが一つの理由である。しかし、奉納演武などで興味を持って入門する者がいるが如く、動画を見て興味を持つ層が必ずいるであろう。技術的な問題はあるが、導入すべきと考える。

4.学校教育、スポーツジム、カルチャーセンター
(1)学校教育
 剣道や柔道は、学校の体育やクラブ、部活動で行われており、広く普及されている。
 しかし、無雙神傳英信流抜刀兵法は古武道であり、学校教員が一律に指導できるようなものではない。安全性の確保、道具の確保などの面からも、困難と思われる。
(2)スポーツジム、カルチャーセンター
 各種の現代武道、古武道、外国の武術がスポーツジムやカルチャーセンターのレッスンとして行われている。安定した場所の確保、生徒の確保ができる。一般になじみのない武道場や体育館よりも、ハードルが低いであろう。
 レッスンでは初心者向けの内容を指導し、本格的な稽古を希望する者には道場へ入門というのが有効な手法であろう。

結言
 普及とは、高い知名度、正しい認識、門人の多さの三つに集約されるだろう。
 いずれにしろ、潜在的な需要はあるはずである。
 今後も積極的な情報発信に努めたい。
DSC_0027a.jpg
  1. 2015/11/30(月) 21:25:00|
  2. 昇段審査論文

FC2カウンター


無料カウンター

プロフィール

貫汪館館長(無雙神傳英信流 大石神影流 澁川一流)

Author:貫汪館館長(無雙神傳英信流 大石神影流 澁川一流)
無雙神傳英信流抜刀兵法、大石神影流剣術、澁川一流柔術 貫汪館の道標へようこそ!

カテゴリー

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する

最近の記事

月別アーカイブ