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無双神伝英信流 大石神影流 渋川一流 ・・・ 道標(みちしるべ)

無雙神傳英信流抜刀兵法、大石神影流剣術、澁川一流柔術を貫汪館で稽古する人のために

昇段審査論文 6

大石神影流剣術4段の論文です。

指導上の留意点について述べなさい。

Ⅰ.指導上の留意点について(総論)
 武道における稽古は、一対一が基本となる。ときに集団教授を行うこともあるが、より高い技術を身に付けるためには一対一の稽古となるのは当然のことと言える。状況により多数を同時に指導する場合であっても、その時その場においては一対一の稽古と言うことができよう。
 指導を受ける側の年齢、性別、性格、体格の違いにより、同じように指導をしても効果が上がらないことがある。そのため、指導においては、指導を受ける側の個々人の資質に合った指導をすることが重要な点となる。
 それまでの運動経験、他武道の経験も重要な点となる。現代武道とくに竹刀剣道の経験者の場合はとくに注意が必要である。打つと斬るの違いに留意すること。
 また、教えすぎないことも重要である。ただ言われるままに動くのではなく、よく見て、よく考え、自分で稽古、工夫、研究するようにするべきでる。
 とくに言葉による指導は弊害が多い。指導者が実際にやって見せることがなにより重要である。常に最高の業を見せられるよう、自己の稽古も怠ることがあってはならない。

Ⅱ.指導上の留意点について(各論)
 大石神影流剣術の技法上の留意点について、個々に見てみよう。
 指導の際には、以下の点について留意することが重要である。

1.呼吸、肚、気合
 呼吸と肚は、稽古における最重要課題の一つと言える。
 動作はすべて、肚を中心として動くこと。小手先で剣を振り回すことがないように。
 動作はすべて、呼吸に合わせて動くこと。肚を中心とした深い呼吸であること。
 そけい部は常に弛んでいること。全身の力を協調一致させて遣うためである。
 気合は、肚から出すこと。呼気に合わせる。
 手数をいくら覚えたとしても、これらの基本ができていなければ何の意味もない。

2.礼法、構え、素振り
 礼法、構え、素振りは、相手のいる稽古ではない。しかし、だからこそ重要な稽古と言える。相手のいない動作で、肚を中心として、呼吸に合わせた動作ができなければ、相手がいる動作でそれらができようはずもない。
 基本の動作だからこそ、よくよく稽古する必要がある。

(1)礼法
 大石神影流の礼法は極めてシンプルである。次のとおり。
 刀礼はなし。稽古は、すでに帯刀した状態から始まる。
 正面への礼は、帯刀した状態で、片膝を着いて軽く握った両拳を地に着け、上体を折る。立ち礼なのは、もともとは土間で稽古をしていたことによる。
 お互いの礼は、帯刀した状態で、会釈を行う。
 いずれも、肚を中心として、深い呼吸に合わせて動くことが大事である。
 また、礼である以上、心のこもったものでなければならないことは言うまでもない。

(2)構え
 通常、稽古する構えは、次の8種類である。
 真剣、上段、附け、下段、脇中段、脇上段、車、裏附け
 手数でよく遣われる構えとそうでない構えがあるが、同じように稽古をする必要がある。また稽古はしないが、拳隠し、右片手で切っ先を後ろ向きに左腰に置く構えなどもある。
 構えに共通の留意点は、次の通り。
 肚を中心として動くこと。小手先を使わない。
 深い呼吸に合わせて動くこと。吸いながら動き始め、深く吐いて動作を完成する。
 そけい部が常に弛んでいること。全身がリラックスしていること。

 個々の構えの留意点は次の通り。
真剣
 中段の構えであり、すべての基本となる。柄を握りしめることなく、柔らかに包むこと。
 手首、肘、肩、そけい部、膝、足首を柔らかく。肚を中心とした、深い呼吸を保つこと。
上段
 左半円を描くように切っ先を頭上右へ運ぶ。このとき、重心が上がらないように。
 切っ先が右上方、柄頭が左下方を向き、両手の中間が額前になる。
 両肘は落ちて、そのまま斬り込める体勢となっていること。
附け
 上段になる動きに似ているが、剣は胸の前まで下りる。
 左手のひらは柄を包み、いつでも突ける体勢であること。
 切っ先が相手から外れることのないよう。
下段
 手先で剣先を下げるのではなく、体全体が沈むこと。
 待ち受ける体勢ではなく、下から攻める体勢であること。
脇中段
 右足を引きあるいは左足を踏み出して、剣を右肩上方に立てる。重心が上下しないこと。
 右手は柄をしっかりと包み、右肘をやや張る。
 待ち受ける体勢ではなく、そのままいつでも斬り込める体勢であること。
脇上段
 脇中段から剣を右上方に大きく伸ばす。
 腕先で剣を動かすのではなく、肚を中心として深い呼吸に合わせて動くこと。

 いわゆる脇構えである。脇中段になる動作を通過して、そのまま剣を後方に置く。
 重心が上下しないこと。肚を中心として、深い呼吸に合わせて動くこと。
 足は大きく開いて腰は深く落ちるが、居着かず自由に動ける体勢であること。
 待ち受ける体勢ではなく、そのままいつでも斬り込める体勢であること。
裏附け
 附けの左右逆である。右足を引きあるいは左足を踏み出して、附けと逆の構えになる。
 切っ先が相手から外れることのないよう。

(3)素振り
 大石神影流の斬撃は特殊であるため、そうと意識せずとも自然に動けるようになるまで、よく稽古する必要がある。
 真剣から上段になってまた真剣に戻る動作に似ているが、上段の構えは左半円を描かずすぐ額前に剣を運ぶ。
 基本の素振りでは、その場で足を動かさず、剣をゆっくりと上下させる。
 切っ先は、まっすぐ頭上後方に振りかぶるのではなく、右上方へ振りかぶる。
 深い呼吸に合わせて動き、吸いながら振りかぶり、吐きながら下ろす。
 肚を中心として動くこと。小手先で剣を動かさない。
 そけい部は常に弛んでいること。

3.手数
 大石神影流剣術では、手数を重視している。大石進種次は、試合の前には必ず手数を行ったと言われている。よくよく稽古する必要がある。

 大石神影流の手数のグループは12種類あり、次のとおり。
  試合口、陽之表、陽之裏、三學圓之太刀、鎗合、長刀合、棒合、鞘ノ内、二刀、天狗抄、小太刀、神傳截相
 これらは、大きく次の三種類に分類することができる。
ア.試合口、陽之表、陽之裏、三學圓之太刀、天狗抄、神傳截相
イ.鎗合、長刀合、棒合
ウ.鞘ノ内、二刀、小太刀
ア、イ、ウのグループはそれぞれ、
 アは一般的な剣術の形のグループ
 イは剣以外の武器で剣に対する、または剣で剣以外の武器に対する形のグループ
 ウは特殊な剣術の形のグループ
と言うことができる。
 剣術の流派ではあるが、鞘ノ内、二刀、小太刀、鎗合、長刀合、棒合が含まれており、逆に、鎖鎌や隠し武器などの特殊な武器は含まれていないということがわかる。
 またイとウについては、イは概ね中級程度、ウは概ね中級から上級程度で稽古を行う、ということがわかる。
つまり、
 試合口、陽之表、陽之裏、三學圓之太刀で大石神影流の剣術の基本を学び、
 鎗合、長刀合、棒合で他の武器について学び、
 鞘ノ内、二刀、小太刀で剣の応用を学び、
 天狗抄、神傳截相で奥義を学ぶ、
ということができるかと思う。
 大石神影流剣術の流派の体系として順に学ぶことはもちろんだが、多種多様な手数を遣えるよう、ある程度の基礎ができた段階から、先の手数も稽古する必要があるであろう。

 個々の手数の留意点は、次の通り。
(1) 試合口
 名が示す通り、試合用の技法であると同時に、入門最初に習う手数である。
 五本いずれも重要なエッセンスが含まれており、よくよく稽古する必要がある。
一心
 通常、最初に習う手数である。一本目であり、重要なエッセンスが含まれている。
 位を見て、打太刀の斬り込みを請け、張り、突く、という動作で構成されている。
 位を見る動きは、あくまで柔らかく。手先でなく、肚で行うこと。
 請けは、表鎬で請ける。手先で剣を動かさず、肚を中心に動くこと。
 張りは、肚で行うこと。手先で行ってはいけない。短い呼気を伴う。
 突きは、肚で行うこと。手先を使わず、全身の移動で行う。気合は肚から出すこと。
 残心にも留意すること。動作が終わったからと、気を抜くようではいけない。
無明一刀
 二本目の手数であり、一本目と左右が逆なだけであるが、そこに留意する必要がある。
 請けは、体の右側において裏鎬で請けるやや窮屈な体勢のため、力みが生じやすい。手の内はもとより、全身をリラックスして動く必要がある。
 張りも左右逆の動きとなるが、肚を中心に動けていれば問題はないはずである。
 突きは一本目となんら変わるところはない。
 残心も同様である。
水月
 位を見て、振りかぶった相手の小手を留める。その名前が直截的に留意点を示している。
 水に映る月、あるいは月を映す水。無心であること。思わず同時であること。
 気合は短く。
 斬ったのは小手のみであるから、残心はさらに重要なものとなる。
須剱
 一二本目に似るが、打太刀は諸手で突いてくる。それをいなし、張り、片手で突く。
 剣と剣が低い位置で合うため、張る動きは小さなものとなる。しかし、一二本目と同じだけの威を備えていなければならない。肚で張ることができているかがわかる。
 相手の突きを軽く下がりながらいなすため、間合いは一二本目よりも遠いものになる。そのため、突きは体を一重身近くに開いた片手突きとなる。左手は左腰に添え、体の開きを助ける。体を開く動きで突くのであり、腕の力でないことは一二本目と同様である。
一味
 上段からの斬り込みを躱しながら請け流し、面を斬る。
 打太刀の斬り込みと、仕太刀の体の躱し、請け流しは同時であること。
 重心が上下しないこと。体を躱すため、安定性は重要である。肚で動くこと。
 請け流しは剣と剣がぶつからないよう。力を流す。

 手数の「一心」「無明一刀」「水月」「須剣」「一味」とはどのような意味であろうか。
 名は体を表すという言葉もある。あわせて指導すべき内容であろう。

(2) 陽之表
 試合口が入門者用の手数だとすると、陽之表は流派の表看板ということになるであろう。
 試合口のような試合用の手数ではなく、流派の動きを身に付けるための手数である。
 よく稽古する必要がある。

よう剱
 よう剣の「よう」は「こざとへん」に「日」、つまり「陽」の異体字である。
 陽之表の正しく一本目であり、流派の表の一本目ということができるであろう。
 まっすぐ正面で斬組をなし、肚で押さえる。
 大石神影流の手数のほとんどがそうであるように、とてもシンプルな動作となっている。
 斬組は、まっすぐに斬り込むこと。剣と剣を合わせようとしてはいけない。斬り組むのは、あくまでお互いにまっすぐに斬り合った結果である。
 肚で押さえること。手先で押さえてはいけない。気合は長く、肚の底から出すこと。
 残心は油断なく。剣と剣が離れないよう。
 相手を斬らず、押さえて終わる。残心とともに、気位も重要なものとなる。
 「陽」の名があらわすとおり、まっすぐで激しい手数である。
げっ剱
 げっ剣の「げつ」は「こざとへん」に「月」、つまり「陰」の異体字である。
 よう剣が表の一本目であるとしたら、げっ剣はその対になる二本目である。
 車で間合いに入り、打太刀の斬り込みを下がって躱して正面に斬り込む。打太刀はそれを下がって躱してまた正面に斬り込んでくるので、試合口「一味」のように体を躱しながら請け流し、面を斬る。
 「陰」の名があらわすとおり、前後左右の変化に富んだ柔らかな手数である。
 試合口五本をよく稽古する必要があるように、陽之表十本もよく稽古する必要がある。その中でも「よう剣」と「げっ剣」は、よくよく稽古する必要があるであろう。
無二剱
 打太刀の上段への小手から面への二連続業である。怒涛の攻めも、大石神影流の特徴の一つと言えるかと思う。これは、初代大石進の性格を反映したものなのかもしれない。
 最初から面を打つことを考えて、小手がいい加減なものになってはいけない。また逆に、小手で動きが止まってしまうようでもいけない。状況に応じて自然に変化する必要がある。無心でなければならないのは、試合口「水月」のみに限ったことではない。
二生
 打太刀の斬り込みを下がって躱し、振りかぶるところを下段で追い込む。さらに、面に斬り込んでくるところを請け、「よう剣」のように肚で押さえる。
 形をなぞるだけなら簡単であるが、下段による攻めは気位が重要なものとなる。留意が必要である。
稲妻
 面、内腿、面の三段打ちである。正しく稲妻のような素早い攻めが必要である。ただし、急ぐあまり形が崩れるようではいけない。とくに大石神影流の稽古が浅い者はまっすぐの振りかぶりになってしまいがちである。注意が必要である。
太陽剱
 いわゆる抜き面である。打太刀の剣が邪魔に感じることもあるようであるが、打太刀が仕太刀に気を遣って剣を大きく下げる必要はない。仕太刀は大石神影流の動きがきちんとできていれば、打太刀の剣が邪魔になることはない。
 下がって躱して、出て斬る、という二挙動になってはいけない。ゆっくりでも止まらず、一挙動で動くことが重要である。
 また稲妻と同様、振りかぶりに注意が必要である。
正當剱
 袈裟からの突きを片手で払って、肘通りを斬る。
 払う動作は手先でなく、肚で行うこと。同時に入り身を行うこと。
無意剱
 面を請けて張り、斬り上げを右太腿上に剣を立てて請け張り、突きをいなし、肘通りを斬り、喉に付けて詰める。
 面を請けて張ったら、すぐに附けの構えに戻ること。切っ先を相手から外さないこと。
 斬り上げを請けるときは、剣を右太腿上に立てること。
 肘通りを斬って喉に付ける動作は、区切らずに一連で行うこと。
 油断なく詰めること。
乗身
 打太刀が脇中段から斬ろうと振りかぶる瞬間に、附けの構えで気先を制する。そのまま追い込み、上段の小手を小さく斬る。
 気先を制すること。気位で圧すること。隙なく小手を斬ること。油断なく下がること。
 手順は単純であるが、だからこそ逆に、稽古が必要である。
千鳥
 巻き上げて袈裟を躱し、斬り上げようとする打太刀の肘通りを斬る。
 形としては右足を上げて躱すが、上げて下ろす二挙動になってはいけない。体の開閉により、一挙動で行うこと。膝を着きながら、同時に斬ること。
 打太刀の素早い斬り返しに間に合う、無理無駄のない動作が必要である。

(3) 陽之裏
 陽之裏は高度な技法と、気や位といったものが要求される。試合口、陽之表と合わせて、よくよく稽古すべきである。

勢龍
 手数名「勢龍」が「青龍」だとすれば、十本目「白虎」との対と考えられる。「白虎」が左右に激しく変化する手数なのに対して、「勢龍」は激しく前方に攻める手数である。
 陽之表十本目「千鳥」と同様に巻き上げて打太刀の袈裟を躱し、斬り上げを「正當剣」と同じように片手で払い、追い込んで面を斬る。
 豪快かつ素早さが求められる手数であり、正しく裏の一本目にふさわしいと言える。
 せわしなくならないよう、重心が沈み、肚から動くことがより一層、要求される。
左沈
 「勢龍」の変化となる手数である。巻き上げて躱すのではなく、左後方に下がりながら身を沈めて躱す。このとき剣は左腰に構え、切っ先は後方を向く。続いて「勢龍」と同様に斬り上げを片手で払うが、「勢龍」が上方から払うのに対して、「左沈」は剣が下方にあるためその点が異なる。十分な威を発揮できるよう、稽古が必要である。
十文字
 附けの構えから面を請けて張り、打太刀の喉を諸手で突く。
 試合口「一心」に似るが、附けの構えで行うことと、顔面ではなく喉を突く点が異なる。
 また、外形上は似ているとしても、試合口と陽之表を稽古したうえでの陽之裏である。
 請けて、張って、突くの三挙動ではなく、一挙動で行えるよう稽古すべきである。
張身
 動作としては、左肩から正面の斬組であり、例によって単純な手数である。
 斬組は大石神影流の手数においては重要な技法であり、通常とは左右が逆なこの手数も、だからこそよく稽古する必要がある。
夜闇
 ここにおいて裏附けの構えと、そこからの斬り込みが登場する。通常の斬り込みとは左右が逆なだけであるが、稽古が必要である。小手を押さえるときは、間が開かないこと。打太刀の斬り込みと入れ替わるように体を躱し、片手で面を斬る。
 片手斬りも大石神影流においては重要な技法である。大石神影流用の長い木刀は、手先では振ることはできない。肚を中心に動くこと、体の開きを遣うことが重要である。
亂曲
 名が示す通り、動作が多くせわしい手数である。しかし、小手先の動作とならないよう留意が必要である。

 上段の構えのまま、気合を掛けて打太刀を追い込む。名が示す通り、位詰である。
 形をなぞるだけならば簡単であるが、実際に遣えるようになるにはよほどの稽古が必要となるであろう。
極満
 「位」と同様に位詰から始まるが、打太刀は位負けをするような相手ではなかったため、攻防が始まる。斬組、内腿を斬り、左腰に構え、体を躱しながら片手斬り。
 いずれも今までの手数で稽古した技法ばかりである。スムーズに動けるようになるまで、よく稽古すべきである。
大落
 形としては陽之表「無二剣」や「稲妻」に似るが、面の二連続打ちとなっている。
 続けて斬ることばかりを考えて軽い打ちになってもいけないし、強く打とうとして動きが止まってしまうようでもいけない。打太刀を圧倒する連続の斬り込みが必要である。
白虎
 陽之裏十本目最後の手数である。一本目「勢龍」との対と言える。「勢龍」は激しく前方に攻めるのに対して、左右に激しく変化する手数である。その様はあたかも虎が左右に激しく跳ぶかの如く。低く、安定した動作が求められる。
 左右の小手斬りの連続動作であるが、手で斬ろうとせず、体で斬ることである。

(4) 三學圓之太刀 一刀両断、斬段、截鉄、半開、半向、右旋、左轉、長短、一味
 試合口から始まり、陽之表、陽之裏と稽古が進むにつれて高度な技法となったが、ここで再びシンプルな技法が目立つようになる。大石神影流はもともとシンプルな技法が多いが、三學圓之太刀はまた違った素朴さがある。ただ外形をなぞるだけではいけない。
 一本目と二本目の手数は一本として遣うため、全体で九本の手数となっている。左右の変化、前後と左右、上下の変化など、全体の関連性についても考える必要があるだろう。

(5) 鎗合 入掛、打込
 入掛は右に、打込は左に入り身しながら突きを請けて張り、斬り込む。
技法は単純であるが、実際に遣うには鎗に対して入り身を行う胆力が重要となる。また、歩み足で足を止めないことも重要な点である。
 入り身することだけを考えて、張りがいい加減なものになると鎗の反撃を受ける。威のある張りをしなければならない。

(6) 長刀合 虎乱、飛龍
 虎乱はもともと二本の手数を一本にしたため、手順が多く長い構成となっている。その分、長刀のエッセンスが詰め込まれており、よくよく稽古する必要がある。
 飛龍は例によってシンプルな技法であるが、長刀の重要な技法の一つである。よく稽古する必要がある。
 長く重い長刀を手足のように遣えるようにならなければならない。
 乱れる虎のように、飛ぶ龍のようになるまで、稽古を積むべきである。

(7) 棒合 打合、打入、遠山
 本数は三本と少ないが、いかにも大石神影流らしい動きの手数ばかりである。
 長くて重い棒独特の遣い方を身に付ける必要がある。
 剣のように斬るのでもなく、長刀のようの薙ぐのでもなく、先端で打つ、払う。

(8) 鞘ノ内 抜打、拳落、右肩、左肩、甲割
 シンプルな手数が五本のみ。二本は抜刀せず、三本は抜き打ちである。
 手先ではなく、肚で抜くこと。

(9) 二刀 清風、綾ノ調子、紅葉重、霞、有明
 右手に大刀、左手に小太刀を持つ。
 小太刀で請ける場合など、とくにその間合いに注意する必要がある。
 また、ただでさえ長くて重い大刀を片手で扱うため、肚で遣うことが重要となる。

(10) 天狗抄 必勝、逆風、亂截、高浪、扣卜、右切断、左切断、燕帰、丸橋、折破甲
 防具を着けて打ち合う他流試合用の手数である。
 内容は例によっていたってシンプルで、試合口の上位版といったところであろうか。
 実際に遣えるよう、防具を着けてよく稽古する必要があるであろう。

(11) 小太刀 猛虎、圓月、荒波、重子、強弱
 大刀に対して小太刀で応じる。大刀との間合いの違いに留意する必要がある。
 構えがそのまま技法に直結するため、構えが重要となる。

(12) 神傳截相
 よほどの技量がなければ、ただ形をなぞるだけになる。よくよく稽古を積む必要がある。

4.防具稽古
 大石神影流は試合の強さで名を上げた剣術流派である。手数を多く覚えた、いろいろな手数ができる、手数を上手にできる、といったことで満足してはいけない。防具を着けた稽古を積み、自由攻防の中で大石神影流の動きができるようにならなければならない。

5.伝系・歴史
 大石神影流は初代大石進を流祖とし、大石家に代々伝わる剣術流派である。
 武道における宗家と師家、完全相伝と不完全相伝、免許皆伝の意味など、修業が進むにつれて正しく伝えるべきである。

参考文献;
1)著者名:藤吉 斉、書名:大石神影流を語る、発行所:第一プリント社、版数:初版、西暦年:1963年

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  1. 2014/10/23(木) 21:25:50|
  2. 昇段審査論文

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貫汪館館長(無雙神傳英信流 大石神影流 澁川一流)

Author:貫汪館館長(無雙神傳英信流 大石神影流 澁川一流)
無雙神傳英信流抜刀兵法、大石神影流剣術、澁川一流柔術 貫汪館の道標へようこそ!
連絡先は貫汪館ホームページで御確認ください。

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