無双神伝英信流 大石神影流 渋川一流 ・・・ 道標(みちしるべ)

無雙神傳英信流抜刀兵法、大石神影流剣術、澁川一流柔術を貫汪館で稽古する人のために

残影

 無双神伝英信流の稽古においても渋川一流の稽古においても、間違いをおかしやすく自分に戒めておかなければならないことは、決して師の影を追いかけてはならないと言うことです。
 厳しいことを書くようですが、師といえども完璧な存在ではなく常に進歩上達の途上であり、本質を知ることなしに師の動きをただ真似してみても、それは物まねに過ぎません。ましてや師がこの世を離れられた後に残された映像や写真からのみ判断し師の動きはこうであった、ああであったと論じたところで、たいていは師の癖や未完成であった動きを追いかけているに過ぎないものです。
 師のそばに仕え、常に師とともにあって師の教えを受けていた者には、師は自分の目指す方向を指し示されています。弟子は師の目指される方向を目指すのでなければ師に習い、師を超えることはできるものではありません。
 例えば、無雙神傳英信流抜刀兵法の師、梅本三男貫正先生に関してはこのようなことを経験しています。
 先生は晩年になられ、業、道に入り大いに変革され進化発展を遂げられていましたが残念なことにその途中、病に倒れられてしまいました。先生は業の変革期以前に、プロの写真家によって撮影されていた、御自分の上方からの「抜付け」の大伸ばし写真をたいそう気に入られ玄関先に飾られていました。私にも、「良い動きを捉えている写真だから。」と、焼き増しして同じ写真何枚かを授けて頂いていました。しかし、ある日突然にその玄関先の写真がどこかへ片付けられていました。
 そのことについて先生にご質問したところ、「森本君、あの動きは良くない動きであった、今となっては恥ずかしくて掛けてはおれない。だから片付けてしまったのだよ。」と語られ、自分の目指しておられる方向を時間を掛けて話して下さいました。その後先生の業は飾ってあった写真とは、その本質的な動きにおいて全く異なったものへと進化発展して行かれました。また、同様に変革期以前に弟子の画家に描かせておられた御自身の手の内や刀の構え方などの詳細な動きに関しても否定され、「あれは、稽古の参考にはならないから。」と語っておられました。弟子の稽古の参考のために大森流、英信流の一人で行う形の全てを収めたビデオも作り配布されておられましたが、これについても全てを否定されました。
 しかしながら、先生の弟子の中には先生の死後においても変革期以前の写真の動きを求められたり、画家の描かれたデッサンを稽古の目標にしておられたり、変革期以前に弟子に配布されたビデオを参考にされる方が多くありました。
 また、先生はご自身の稽古のためにご自身の形のビデオをとられて研究されておられましたが、変革期以降に残されたビデオであっても変革期以前の癖や未完成の動きが残っています。それらの動きについては師に身近で仕えていた者には詳しくお話して頂いていますから、迷うことは全くありません。師の目指す方向を教わらず、知らず、ただ師の影のみを追い求められている方は哀れとしか言いようがありません。
 貫汪館で稽古される皆さんもこのことをよく頭に入れ決して外見のみの物まねはなさらないで下さい。また、わからないところがあれば、しっかりと稽古された上で、何でもご質問ください。
 
 『居合歌之巻』より
   「師にとわすいかに大事を教へき心をすましねんころにとへ」
  1. 2006/12/15(金) 18:47:01|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

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