無双神伝英信流 大石神影流 渋川一流 ・・・ 道標(みちしるべ)

無雙神傳英信流抜刀兵法、大石神影流剣術、澁川一流柔術を貫汪館で稽古する人のために

文化としての古武道

 先日の伝統文化活性化国民協会の会議での交流会において、文化庁文化財部伝統文化課の主任文化財調査官の方とお話する機会がありました。
 古武道が文化として文化庁で認められる可能性があるのかどうかという点について私の意見を述べつつ、調査官にお話をお伺いしました。はじめは私が無双神伝英信流抜刀兵法と渋川一流柔術という古武道を教えているということで、少し距離をとってお話されていましたが、私の意見を聞かれながら、率直なご意見をお話くださいました。
 第一に文化として認められるためには、形が昔のままに伝わっているのかどうかという点。流派の歴史が古いというだけでは認められることは難しいとの事。これには私から無形文化財とされている「能楽」の動きも明治維新以前と以降では変容している事などもお話しながら、古武道も現存する流派によって異なることなどもお話しました。形が大きく変容していないことがひとつの条件であるということがわかりました。
 第二に文化として認められるためには、形の上手 下手がその流派内だけではなく、他者から見て判断できるのかどうかという点。能楽のように宗家であろうがなかろうが、その弟子の方が上手であるとか下手であるとか比較できるのかという点です。古武道における宗家制については西山松之助先生の『家元の研究』を引用してお話し、本来武術には宗家制など存在し得ないことをお話しながら、武術の動きというものは簡単に素人や初心者が見てわかるものではなく、むしろ上達したものにしか見えない事、素人や初心者に判断できるような動きであれば、素人や初心者に斬られてしまう事などをお話しつつ、自分の技量が上がれば他流派であろうと、異なる種類の武術であろうと、その動きの良し悪しは見えてくる事などをお話しましたが、武術の技量が上がれば上がっただけ他者の動きが見えてくることや、古武道の形は形を超えるために存在するのだという話などは興味深く聞いていただけました。また、素人や初心者が見てすごいと思うような動きは単純に力んだり、むやみに極めを作っているだけなのだということも、よく理解されておられました。
 その他、多くのことを短時間ではありましたがお話いたしました。お話をして思ったことは、一つ目に古武道が国のレベルで、文化として認められるには時間がかかるけれども、県のレベルでは働きかけによっては可能であるということ。 二つ目に古武道を文化としての視点でお話する上においては、自分が行っている実技だけでなく、歴史や文化的背景、他の文化に関する知識をもっていなければならないことです。
 実技がもっとも重要な古武道にあってはややもすれば、歴史や文化的背景を知ろうともせず、自分のみがもっとも尊いとして、歴史的に宗家制度など存在しないのにもかかわらず、宗家を詐称するようなことが行われ、文化としての古武道どころか、胡散臭い存在として見られることもあります。
 今回、文化庁文化財部伝統文化課の主任文化財調査官が私に親しくお話してくださったのは私が古武道の実技だけではなく、歴史や文化的背景、その他の文化についても話ができると思ってくださったからだと思います。貫汪館で稽古する皆さんには実技だけではなく幅広い視野を持って稽古していただくことを望みます。
  1. 2006/12/04(月) 20:12:50|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

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