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無双神伝英信流 大石神影流 渋川一流 ・・・ 道標(みちしるべ)

無雙神傳英信流抜刀兵法、大石神影流剣術、澁川一流柔術を貫汪館で稽古する人のために

無駄な力を入れない 2

 無雙神傳英信流の抜付けの後の運剣も昨日述べたことと共通して注意しなければならないことがあります。無駄な力を入れないとばかり思って、ただ肩・腕の力を抜いて刀を振り回してしまうことがあるのです。臍下中心に横に抜付けたら、つながったままに初めは横に戻ります。親指が死んだ状態ではつながっておらず刀も生きていないためただ振り回してしまうだけになります。たとえ動きが早いと感じても振り回しているだけだと抜付けから斬撃までの間に何かあっても対応することはできません。やがては向払のように返す刀が相手を斬る必要があるかもしれません。初めから二太刀目が決まっているわけではありません。また振りかぶる途中に後方に下がる必要が生じるかもしれません。どのような状態にも応じられるように稽古しなければなりません。
 自分の動きを確認するためにはゆっくり動いてみてください。

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  1. 2020/12/01(火) 21:25:00|
  2. 居合 業

無駄な力を入れない 3

 昨日述べた運剣の続きになりますが、振冠りについて植田平太郎先生は「諸手上段に引冠り」と記されています。師 梅本三男先生はこれを単なる動きのことを言われているのではなく、まさに上段から斬り下すのだと教えてくださいました。つまり上段で相手を確認して斬り下ろすのです。ただ素早く運剣して相手を確認せずに斬り下ろすのではありません。無駄な力を入れないとだけ思い、相手も見ずに振り回すのは大きな間違いです。また上段に冠った時の手の内は基本として稽古した斬撃の手の内のように力みもなく緩みもないものでなくてななりません。

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  1. 2020/12/02(水) 21:25:00|
  2. 居合 業

無駄な力を入れない 4

 血振いは釣り上げて落とすだけの動きですが、刀を振り回してしまいがちです。
 一つ目の目安は斬撃後に切先を回すときに切先が床の近くを這うくらいに低くなって、なおかつ刀に遠心力が働いているかどうか。切っ先が床から高く離れていたら腕で支えていますし、遠心力を感じないようでしたら肩や腕に力が入っています。その後、右肘を内に入れますがこの時の状態を植田平太郎先生は「肩の後ろへ釣下げ(拳の高さは身の横通りにて耳より四・五寸位右へ離し)」と表現されていますが、その後やや肘を躰で持ち上げるようにし(当然柄も少し上方に上がります)肚中心に円を描き、刀が頭の高さを超えたら肚とのつながりをなくさずに、刀が落ちるだけです。体の各部が正しく働いていれば刀は自然に止まります。止めるわけではありません。工夫してください。

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  1. 2020/12/03(木) 21:25:00|
  2. 居合 業

無駄な力を入れない 5

 血振いの後、植田先生の言葉を借りれば「左足を右前足に踏揃へ(後足を前足に踏揃へる時は何時も上体は稍前掛りに俯く事)」という状態になるとき、形の上では膝は曲がり、状態は前傾します。この状態が体得できていない方は体の重さを支えるために大腿部に力が入り、筋肉が緊張していますが、正しくバランスが取れ前にも後ろにも偏らず、足首膝鼠径部が緩み、上半身が正しい状態にあれば、体は楽になり、心も四方に広がります。
 異なる状態にある方は工夫してください。

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  1. 2020/12/04(金) 21:25:00|
  2. 居合 業

無駄な力を入れない 6

 大森流の納刀は刀の角度が深く、英信流の納刀は刀の角度が浅く床と平行に近いくらいに行います。理由はいつもお話ししているとおりですが、この理由がわからない方は支部長に確認してください。
 さて納刀時、大森流も英信流も両肩、両肘、には無駄な力が入らず楽になっておかなければなりません。無雙神傳英信流は比較的長めの刀を用いますので、鼠径部が緩まず右手で納刀を行う方は右ひじを伸ばし刀の柄を上から持っているような方もいます。そのような状態にある方は工夫してください。
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  1. 2020/12/05(土) 21:25:00|
  2. 居合 業

他流を語らない

 自分の知識を誇りたいためか自分が稽古したこともない流派についておおやけに語りたがる人もいます。とくに習い始めて10年以内の人に多いように思います。口先が働きだすのですが、多少できるようになってきて自信がつき始めたころに自分の知識を誇りたくなるようです。真面目に稽古して10年過ぎてくると、自分の至らぬところもよく見えるようになり、他流派について語るどころではなく自分の未熟さがはずかしくなってきます。
 居合の歌にも

 我道の居合一筋雑談に知らぬ兵法事を語るな

 とあるように、今も昔もそういう人はいたようです。貫汪館で稽古される方は十分に心してください。

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  1. 2020/12/06(日) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

一般化しない

 流派の存在は個性の存在です。人が一人一人異なるように流派も一つずつ異なっています。ところが少し自信を持ち始めると自分が行ってきたことが絶対に思えるようになり、自分の流派のことであるのに居合一般について語り始めたり剣術一般について語り始めたり、柔術一般について語り始めることがあります。自分自身に気を許さないでください。
 「抜付けとは・・・」「納刀とは・・・」「礼法とは・・・」一般化してその基準をすべての流派に当てはめて考えようとするのです。

 世ハ弘し我より外に事なしと思ふは池の蛙なりけり

 自分が行っていることはあくまで自分の稽古している流派の中でのことなのです。
  1. 2020/12/07(月) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

メモして、共有する

 どこかに旅したときのパンフレット、訪れた先においてあるその建物の歴史に関する記述、あるちは地方の図書館の○○町史や郷土史研究会の定期的な刊行物に私たちが稽古している流派やそれに関係する流派についての記述があることがあります。
 大石神影流は西日本に稽古する人が多く東日本にも大石進が江戸に出たときに随身したり、試合した人たちもいます。無雙神傳英信流は土佐のローカルな流派ですが、その技の一部は兵庫県の北部の藩に伝わっていたことを確認していますし、長谷川英信はかなり広範囲に自分の技を伝えていたようで、甲府や沼津、飫肥などにそのあとを見ることができました。
 貫汪館で稽古される方は関係した記述があった時には、その書籍や雑誌のタイトル、発行年や号数、発行所やページ数などを控えるようにしてください。そして情報を共有してください。私自身メモしなかったために大切なことでわからなくなってしまったことがいくつかあります。

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  1. 2020/12/08(火) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

張受

 大森流の陰陽進退の張受は丁寧にゆっくり稽古することが速さにつながります。丁寧に静かにゆっくりと正しく、どの動きもおろそかにせず、こんなにゆっくり稽古していては間に合わないと思っていても静かに丁寧に稽古を続けてください。早くと思って稽古していたら間に合わない防げない動きしかできなくなってしまいます。
 私の言ったような稽古を積み重ねていればやがて歌に言うような動きができるようになります。

 猛き虎の千里のあゆみ遠からず  
               行より早く帰る足引


  上田平太郎先生は次のように解説されていますが、これだけを読んで教えを受けていなければまったく別の動きをするでしょう。

刀を納めつつ右膝を跪き納め終りたる所へ(別人が向脛薙付け来る)急に立上り左足を一歩退くと同時に刀を前へ引抜き切先の放れ際に左腰を左へ捻り体は正面より左向きとなり(視線は右の対手に注ぐ)刃部を上に向け差表の鎬にて張受けに受け止め体を正面に戻しつつ左膝を右足横へ跪きながら刀尖を左後へ突込み右諸手上段に引冠り

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  1. 2020/12/09(水) 21:25:00|
  2. 居合 業

売り文句

 「もう失われてしまった」「本当の意義は誰も知らない」「本当の使い方は知られていない」そして・・・ 「自分だけが知っている」  形のない何かを商売にしようとしたらこのようなうたい文句を使わざるを得ないのだろうと思います。
 他者を愚か者にして自分だけが素晴らしいので皆さんお金を払ってでも来る価値がありますよ。つまり、こういうことです。このような言葉に操られて人が集まり、そこで商売が成り立つのですから、それはそれでいいのかもしれません。そういうところに引き寄せられるのは、また、そのような傾向がある人たちですから。これまで述べてきたように、私たちはそのような方向性をとることはできません。

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  1. 2020/12/10(木) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

武術家

 貫汪館で稽古している方の中には「武術家」と自称する方はおられないと思いますが、武術家と自称するためには覚悟と実力が必要です。
 覚悟というのは言うまでもなく何かあった時には命をかけれる覚悟であり、実力というのは何かあった時(試合などではなく)にはそれ相応の働きができる能力です。そう考えるととてものことに武術家と自称することはできません。せいぜい「○○を稽古させていただいています。」というくらいでしょうか。営利目的であれば武術家と自称したほうが良いのでしょうが、貫汪館で稽古している方にはそのような方はいませんし、今後後進が稽古し始めたときにも心得違いしたときには言ってきかせなければなりません。

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  1. 2020/12/11(金) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

藩校での稽古

 幕末になると、どの藩でも藩校ができ、藩校での武術の稽古が行われるようになります。この場合に各藩によって事情が異なりますのですべて同一に考えることができません。藩によっては○○流の稽古場、△△流の稽古場というように流派ごとの道場があったようですが、多くの藩は限られたスペースですので、各流派が日にちを決めて使っていたようです。藩の稽古場が使えないときには各師範の道場で稽古が行われていますので、何々藩の武士の稽古回数が少ないということはありません。いくつかの先進的な藩では藩の稽古場では防具着用の試合稽古を流派を問わずに行っていることもあり、そのような場合は藩の稽古場では形稽古は行われません。それぞれの藩がどのような状況にあったのかを見極めないと判断を間違ってしまいます。

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  1. 2020/12/12(土) 21:25:00|
  2. 武道史

史料はなくなる

 武道史の調査をしていて、史料は時とともになくなってしまうのだということを強く感じています。数か月前にある県の複写資料を閲覧する機会があったのですが、複写資料を複写(写真撮影)するためには史料の所蔵者の許可を得なければならず、なおかつ県は所蔵者の住所を教えてくれません。ご自身で所蔵者を探してくださいということなのです。20年以上前ですので所蔵者もなくなられており、まず無理です。県は新しい所蔵者を把握しているのですが、個人情報ということで教えてはくれません。
 そのような状況ですが知人がたまたま、旧所蔵者を知っており連絡を取ることができましたが、史料はその方の娘さんからお兄さんへ、さらに本家へと転々としていました。
 複写資料を複写(写真撮影)するための許可を取るために原史料の所在が分かったのですが、 その中で7点の史料のうち2点は散逸していました。
 時の経過とともに史料はなくなっていくものだとおもわなければなりません。
 貫汪館で稽古される方で親せきや知人が史料を持っていると聞かれたら、早めに写真に撮らせてもらってください。
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  1. 2020/12/13(日) 21:25:00|
  2. 武道史

史料はなくなる 2

 昨日史料がなくなるということについて書きましたが、いくつもその例がありますので上げていきます。
以前、書いたことがありますが、 
 廿日市市上平良の大島金蔵が化政期(1804~30)に八天狗鞍馬流の道場を開き、門弟二千人に及んだといいます。金蔵の没後は子の多吉、孫の金之助が道場を継ぎ、門弟の指導にあたったといいます。
 この八天狗鞍馬流について調査しようと思い、25年くらい前に大島金蔵の子孫に連絡を取ったことがあります。しかし、「古い蔵が二つあり、古いものもたくさん残っていたのですが、お父さんが蔵を壊した時に全部捨ててしまいました。」ということでした。
 古いものはなくなります。急いでください。真実が永遠にわからなくなるかもしれません。
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  1. 2020/12/14(月) 21:25:00|
  2. 武道史

史料はなくなる 3

 難波一甫流の宇高家から他の村にお嫁さんに行かれた方が女性ではありますが高齢になるまで難波一甫流を教えておられました。農村地帯ですので、家もかわらずそこにありましたので、これも25年くらい前に連絡を取ったことがあります。
 「ばあさんのものは古くなって虫も食っているので捨てた。」というお返事でした。
 同じ地域で、遠方の宇高家まで稽古に行かれた方の免許の巻物が大切に保管されているのを拝見したこともあります。人の思いで簡単に史料はなくなってしまいます。
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  1. 2020/12/15(火) 21:25:00|
  2. 武道史

史料はなくなる 4

 難波一甫流の支流で難波一捕流を名乗る流れがあります。伝書内容もだいぶ異なっています。この流派を城下まで行って習得して地元で教えていた農家がありました。以前も書いたことがありますが、ここをお訪ねしたときに、「巻物は2本ありましたが、山梨の武道の研究家という人が研究のために1本借りていくといって、かえってきません。」ということでした。
 こんなこともあります。かりていくといわれて信用して貸したらかえってこないのです。
 これとは少し話が異なりますが、難波一甫流の宇高家を何度も訪ね、史料や写真を写真(当時はフィルム)にとらせていただき、難波一甫流一門で形を演じている写真をインターネットに載せさせて頂いたことがあります。これを無断で自分のウエブサイトに載せた人があり、さらにそれを武道家を称する人が盗用していたことがあるのを、ある人から聞いて知りました。写真に細工をしてあったのでわかったことです。どんなに立派なことを言っていても行動を見ればどのような人物かはわかってしまいます。そういう人物が武道の研究家どや武道家を名乗るので、世間が古武道を見る目はますます冷たくなってしまいます。

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  1. 2020/12/16(水) 21:25:00|
  2. 武道史

史料はなくなる 5

 たくさん武道関係の史料と、その他の民俗学的にも大切な資料がある旧家がありました。その家の武道関係の史料については25年ほど前に写真に収めさせていただいていたのですが、剣術用の防具はその時に汚れているのでということで出してはいただけませんでした。幕末の頃の防具でした。
 その町の公民館から、その流派に関する講演の依頼をいただいたとき再びお訪ねすると、古い蔵が壊されて、防具などはなくなっていました。解体屋にお願いした日の前に入院をされてしまい、ご子息に立ち会うように言ったものの、お仕事で立ち会えなかったのだそうです。武道関係の伝書のほとんどは別の部屋にあり、無事であったものの、名字帯刀を許された大きな農家であったため、大皿など文化的なものはすべて持ち去られてしまっていたそうです。大皿などの金目のものは骨董屋へ、防具など、金目になりそうにないものは捨てられてしまったでしょう。

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  1. 2020/12/17(木) 21:25:00|
  2. 武道史

史料はなくなる 6

 これまでは人災ですが、戦災は一気に資料をなくしてしまいます。広島藩の一刀流は伊藤(小野)典膳忠也の直門の間宮五郎兵衛久也が江戸から正保二年(1645)浅野光晟に招かれ四百石という高禄で師範となりました。間宮家は幕末と明治まで一刀流を伝え一時は五百石にもなっています。
 現在は広島に住まわれていない間宮家に25年くらい前に連絡をとったことがあります。間宮家の高齢の女性が対応してくださいましたが忠也からの刀もあったものの高禄であったためお城の近くに屋鋪があり、原爆ですべて灰燼に帰してしまったそうです。人は疎開しても物は疎開できなかったのでしょう。現在も日本の領土を奪いたい国がそばにあり、危険な状態です。
 広島藩の一刀流は明治維新まで他流試合はしていませんでした。

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  1. 2020/12/18(金) 21:25:00|
  2. 武道史

史料はなくなる 7

 これも広島藩のことですが、信抜流の幕末の師範の家の調査をしようとしたことがあります。のご住所がわかり、関東地方にお住まいだということで連絡をしたのですが、「原爆で蔵が二つ焼失し、父も養子ですのでほとんどなにも伝わっておりません。」ということでした。 ほかにも原爆でという例は数えきれないくらいにあります。
 貫心流の細家はそれほどの禄高でもなく、維新後の家は原爆の影響を受けない立地にありましたが、細家は養子で継がれており、武道関係の物もたくさんあったはずで日記などもあったのだとは思うのですが、ご養子に入っておられた方は義理の父母になる方にほとんどあっておられず、戦後大陸から引き揚げたときに広島を尋ねたときには、義理の父母はもうなく、屋鋪には数本の短い刀(脇差?)と武道の伝書類が残っていただけだったそうです。誰もおられないときに、史料の一部(大部分?)や槍・長刀などはなくなってしまったのでしょうか。その刀でさへ戦後すぐのことですから列車に乗って運んでいるときに警察に没収されたということです。

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  1. 2020/12/19(土) 21:25:00|
  2. 武道史

史料はなくなる 8

 久留米の加藤田家の神陰流ですが、久留米に加藤田家のお墓は残っています。加藤田平八郎の子の加藤田大介で加藤田家は耐えてしまい。古文書類は門人に託されたということですが、この門人の家が見つかりません。
 あきらめていたのですが、数点史料がある大学にあることがわかり廻国修行の日記を解読することができました。門人帳についても解読していきたいのですが、時間がありません。
 この場合は偶然発見できたのですが、大学の先生が、加藤田家の門人からかりてきてそのままになっていたのではないかと思います。○○先生の死後に大学に寄贈されたものです。残りの大量にあるであろう史料の行方はわかりません。

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  1. 2020/12/20(日) 21:25:00|
  2. 武道史

史料はなくなる 9

 久留米の津田一伝流についてもご子孫がわかり、連絡をしたところ津田家は大陸で医師をしておられ引き上げの際にすべてをなくされたそうです。柳河の大島流の加藤家も同じように引き上げの際にすべてをなくされています。幕末に広島藩の司箭流取捨・長刀、澁川一刀流(まったく内容はわかりません)を教えていた中山家も満州から引き揚げる際にすべてをなくされたそうです。
 戦争は、どうにもなりません。
 史料があれば奉納額でも紙片であっても写真に保存してください。そして、私が行っているように地域の博物館や資料館に寄贈を勧めてください。
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  1. 2020/12/21(月) 21:25:00|
  2. 武道史

正座

 数か月前に稽古したときに撮った比較的良い写真がありましたので、無雙神傳英信流の正座について説明します。
無雙神傳英信流の正座はそのまま抜付けに通じるものでなくてはなりませんので、両膝を大きく開いて威厳を示そうとしたり、肩を怒らして自分を大きく見せようとしてはいけません。重心は床下に落ちているかのように感じるくらい無理無駄をなくし体を床に預けてください。また抜付けにつながるためには肘を張ってはいけません。このように両肩が自然に引力に引かれて下方におり、落ち着くように稽古してください。写真ではやや腰に力みがありますが、体をしっかりさせようといわゆる腰をぐっと入れてはいけません。腰の力みも抜いてください。腕全体が自然な状態にある場合には両肘はやや体の後方にあり両手首の付け根は軽く腹部に接する位置にあります。
 正座ができなければ、抜付けの稽古がいい加減なものになってしまいますのでしっかり工夫してください。
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  1. 2020/12/22(火) 21:25:00|
  2. 居合 業

体の前傾

 無雙神傳英信流の抜付けは基本的に前傾します。理は稽古のときにレベルに応じてお教えしていますので省略しますが、正座と同じでいくら前傾しても形を似せているだけだと業は身につきません。
頭のてっぺんから尾骶骨まで筋は通っているか。抜付けの最中、肩甲骨・肩・腕・手首は引力を感じ(重さを感じ)ながら、なおかつ臍下丹田から背中を通り、脇、腕の下、右手は親指・柄から切先までのライン、左手は小指・親指から小尻までのラインはあるか。腹筋にいらない力みは入らずに緩んでいるかなどを感じながら稽古してください。

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  1. 2020/12/23(水) 21:25:00|
  2. 居合 業

両足を踏揃える

 植田先生が「左足を右前足に踏揃へ(後足を前足に踏揃へる時は何時も上体は稍前掛りに俯く事)」と解説されている部分です。広く言えば残心の一部で斬った敵の気息をうかがう動作です。したがって前傾して切先は倒れた相手につけています。写真では倒れた相手をやや近めに想定していますが切先は倒れた相手につけています。
 「後足を前足に踏揃へる時」ですが、倒れた敵の気息をうかがうのですからいついかなる時にも動けるように無理無駄のない姿勢でなければなりません。「どうだ」という姿勢ではありません。
 そのため、体の中心線があり、その線は足心におりていなければなりません。また、抜付けの前傾姿勢と同じく腹筋を力ませてはいけません。足の裏は緩んでべたっと床についているような感覚を得てください。

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  1. 2020/12/24(木) 21:25:00|
  2. 居合 業

血振い前

 植田先生が「刀を右外より廻し肩の後ろへ釣下げ(拳の高さは身の横通りにて耳より四・五寸位右へ離し)」と記されている部分です。
 写真は釣下げたところからやや上がり始めているところですが、肩甲骨は下がり肩の力みもなく肘が内に入り、なんといっても鼠径部が緩んでいなければなりません。この状態を会得すれば後は臍下丹田中心に動き刀は落ちるだけです。振り回す必要はありませんし、血振いしたときに前腕が緊張することもありません。

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  1. 2020/12/25(金) 21:25:00|
  2. 居合 業

みせない

 素振りを見せないということを無雙神傳英信流の師 梅本三男先生は良く指導してくださいました。初心者の頃には何かしようとすることが表に出すぎていたのだと思います。鞘手が鞘にかかるとき、初動で肩や肘の動きがあると動こうとしているのがはっきりとわかってしまいます。工夫してください。

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  1. 2020/12/26(土) 21:25:00|
  2. 居合 業

右刀

 左刀と右刀の違いですが
植田先生は左刀については「右手を柄に掛け抜きながら腰を伸しつつ脛を立て右膝頭で左へ廻り」と記され
右刀については「右手を柄に掛け刀を抜きながら右脛を立てつつ左膝頭で右へ廻り」と記されています。
 この説明に表れる違いが写真の右刀の初動に表れています。写真に写っている方は遠方で、何時も稽古をつけれるわけでもないのに一人稽古でよく体得されています。

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  1. 2020/12/27(日) 21:25:00|
  2. 居合 業

知らない流派のことを語らない

 これまでに何度も述べてきましたが、自分が深く稽古したことがなく、見ただけあるいは少し経験しただけで知らない流派の技を語ることはしてはなりません。貫汪館で稽古されている方はもう十分に理解されていることだと思いますが、新しく稽古を始めた方のために述べておきます。
 その流派を深く稽古している方から見れば、全く違ったことを話されており、いい迷惑にしかなりません。またそういったことを公に言いたい場合は自分の知識を誇りたい欲が出ているときでもあります。修行においてダメな欲は自分自身を道からそらせてしまいます。気を付けなければなりません。

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  1. 2020/12/28(月) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

いつわり

 古武道といわれる中でどの程度偽りの流派があるのかわからない状態ですし、古武道について知らない方はなおさらのこと、それらしいことを言っている流派を信じてしまいます。貫汪館の門人の方でも、自分たちが稽古している場所で、それなりの人数が集まって稽古しており、しかも昔ながらの流名を名乗っている流派の稽古内容が実際に伝わってきているものだと信じておられました。
 復元だと自ら言っておきながら、途中で復元の文字をほとんど使わなくなり、その流派の歴史は江戸時代からあり・・・といかにも古い流派を語る場合もあります。初めは中伝の人しかいなかったので中伝までしか習っていないといいながら、時がたつと、さもすべてを知っているかのように語り、教え始めた人もいます。そういう人たちほどもっともらしいことをSNSで発信したり、武道家らしい態度をとったりします。
 数十年後には初めにかたりだした人物もいなくなり、それが本当のことになってしまう恐れがあります。日本古武道振興会の入会審査は今は厳格ですが、知っている人たちがいなくなると、それもどうなるかわかりません。
 貫汪館で稽古している方は真贋を見極める目を養ってください。

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  1. 2020/12/29(火) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

馬鹿になる

 馬鹿になるということもかつて語りましたが、私が高校生の頃に無雙神傳英信流の師 梅本三男先生に教えられたことです。「バカ」という意味は小利口であるなということです。教えられたことをこれまでの自分の知識や経験で解釈し自己流を作り上げるなということなのです。
 本質を受け取らなければならないのに外見だけ似せてそれで良しとしたり、あるいはちょこまかと相手との関係性もなく動いて速く動けると自己満足したり、筋力に任せて刀を振り回し、力強いと自己満足したり・・・そういうことを戒められました。
 己をむなしくしてまず受け取とってください。

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  1. 2020/12/30(水) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

年の終わりに

 今年はコロナウイルスで十分に稽古できない年になってしまいました。その中でも、稽古ができない日には論文の作成や武道史の勉強その他に時間をもちいて体を動かさない稽古をされていた方もあろうかと思います。今年だけでなく来年も異常気象等で稽古できなくなる可能性もあります。新たな方法を考えなければいけないときに来ていると思います。とはいっても対面での指導は不可欠ですのでどういう方法があるのか・・・。現状では対面で指導したうえで自分で稽古していただいたうえで映像を送っていただき、その手直しをするという形です。
 より良い方法は、若い方たちに模索していただかなくてはなりません。形/・手順だけ残り、本質がなくなっていては流派を伝えているとは言えません。現在でも手順のみを覚えて事足りたたという人もいますが、「ビデオを見て習得しました」がまかり通るようになりま。
 ここ数十年でいくつもの流派がなくなりました。私たちが稽古している無雙神傳英信流、澁川一流柔術、大石神影流もいつどのようになってしまうかわかりません。「映像だけ残った」も、「手順だけ残った」も同じことです。むしろ映像だけ残ったほうが良い場合もあります。そのようにならないためには若い人たちの努力が欠かせません。

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  1. 2020/12/31(木) 21:25:00|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

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プロフィール

貫汪館館長(無雙神傳英信流 大石神影流 澁川一流)

Author:貫汪館館長(無雙神傳英信流 大石神影流 澁川一流)
無雙神傳英信流抜刀兵法、大石神影流剣術、澁川一流柔術 貫汪館の道標へようこそ!
ご質問のある方は貫汪館ホームページに記載してあるメールアドレスからご連絡ください。記事へのコメントではアドレスが記されてないため返信ができません。

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