無双神伝英信流 大石神影流 渋川一流 ・・・ 道標(みちしるべ)

無雙神傳英信流抜刀兵法、大石神影流剣術、澁川一流柔術を貫汪館で稽古する人のために

隙を作らない

 日常生活の中で隙を作らずに暮らせる事は理想です。(「隙を作らず」といっても四六時中油断せずという事でもなく、どんな変化にも気付ける繊細さをもてればよいのですが)
 少なくとも道場の中ではそのようにある稽古をしなければなりません。その様な繊細さを持っていれば危険を無意識の内に避けていますし、危険を呼び込むこともありません。形が上達する事よりもよほど大切な事なのです。
 しかし、武術を稽古されに来ておられる方ですから、形が一つずつ上手になるようにと思いそればかりに意識がゆくのももっともな事です。とは言え守るためには隙を作らないことなのです。事が起きてしまって技を使えても既に遅い場合もあり、隙を作らず事を起こさないに越した事はありません。
 そのためには、少なくとも初心者の域を脱したならば一つ形を終えてほっとして油断したり、形稽古ではなく単に歩いて移動しているだけだからと言って隙を作ってよいはずはありません。
 武術は行住坐臥であり本来、生活の全てにわたって寸時も忘れてはならないものです。まして道場の中においてはです。


 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/01(火) 21:25:19|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

大切なものを扱うように

 刀を用いたり棒を用いたりする事が上達しない方に共通するのは、それらを単に武器として道具として扱っている事です。そのような考え方でも、それらに日常的に接していれば手馴れた扱い方も出来るようになるのですが、週に一二度触れる程度では何時までたっても上達しません。
 たとえば、生まれてそれほど経っていない赤ちゃんを抱きかかえる時、どのように抱きかかえているでしょうか。ダンボールの箱か何か、また大きなゴミ袋か何かを扱うようにはしていないはずです。
 非常に壊れやすいものを扱っているときはどうでしょうか。繊細な扱い方をしない方は居られないと思います。
 刀や棒が自分と一体になって働きをなすためには、そのような大切な物を扱うような繊細さが必要です。このような心をもてない方は自分と得物が一体になることは難しく業を得ることも難しいでしょう。

 澁川一流柔術は2月6日、日本武道館における第34回日本古武道演武大会で演武を行います。澁川一流の演武は午前 11:48 からです。お時間がある方はお越しください。


 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/02(水) 21:25:18|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

非礼(『甲子夜話』より)

 松浦静山の『甲子夜話』には見聞した多くの記録が載せられています。私たちにも参考となることがありますので興味深い事項を不定期にご紹介しようと思います。

 故松平豆州〔老職〕、故大垣候〔戸田采女正、是亦老職〕、上野御廟を拝して退くとき,二天門の間にて、雁間衆の嫡子某に行逢れしに、其人地に伏して礼す。大垣候は膝まで手を下して礼される。豆州は一向見もせずして行過ぎたり。観者、二候の優劣此一事にてもしるべしと云き〔老中に行逢時は、歩を留て立ながら礼する通礼なり。雁間の人、己の分を失ひて礼に過ぐ。大垣これを受るは非礼なり〕。

 江戸時代の礼法であれば礼に外れた厚き礼をするものに対応すれば、その者の地位を低い者とみなしたことになるのかもしれません。そうしないためには無視することがその人の立場を尊重したことになるのだと思いますが、現代ではむつかしことです。まったく見向きもしなかったと憤る方もあるかもしれません。
 私達が心すべきは、「極端に厚すぎる礼はかえって礼を失することになる」ということでしょう。日頃、心しておかねばなりません。


 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/03(木) 21:25:28|
  2. 武道史

礼儀作法

 昨日のお話とも通じることですが、次男がインターネットを「武道の必修化」で検索していたら、武道の必修化についての否定的な意見を見つけたようです。その人の主張は以下のようなものであったということです。

 礼儀作法を身につけるならば何も武道を行う必要はなく他の文化的なことでも身につけることができる。だいたい武道というものは人を殺める為に稽古されたものであるので、学校で教育するのはふさわしくない。

 よく聞く理論ですが、このような主張をされる方のほとんどが武道そのものや武道の歴史については全く無知であるようで、自分の主張をただ言い張りたいだけのような感じを持ちます。
 江戸時代の武術は礼とは裏腹な関係にあり、相手に対する礼を失した場合に名誉を失った、体面を失したという事態を生じ争いを生まれるのですから、相手の立場を尊重するということは武術の一部なのです。
 大石進は「試合では最初の一本をとれば後は打たれてもよい。」と教えましたが、これは真剣勝負においては最初の太刀で生死が分かれるという事を意味するだけではありません。試合が盛んになるにつれて勝ちを貪り、試合中にも礼を失した行為を行う流派が増えていたなかでそのような態度とならぬように戒めたものでもあります。
 もっとも現在の武道をする方の行動がどのような状況にあるのかを見るとき、「武道などやらないほうがまし。」という気持ちになることが多々ありますが・・・。

 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。詳細は後日お知らせいたします。


 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/04(金) 21:25:11|
  2. 武道史

秘す(『甲子夜話』より)

 『甲子夜話』に槍術に関して次のような記述がありました。

 足守候の先代、木下淡路守公と云しは、槍の達人なり。其槍穂、殊に小にして柄長し。昨今の足守候出行に持す所の槍是なり。予が先、加藤氏の〔大洲候〕先も、皆その門人なり。世称して淡路流と云しと。予此人の事跡を聞似、槍を以て技を抗するとき、まず槍刃を掌中に握て露さず。人因て戦でき物を知らず、突進みてかかるに、すなわち其刃を発し遠く刺す。人因て当ること能わず。これを無形の構と謂ふとぞ。

 このように敵が何を持っているかわからない場合に敵に近づき、急に遠くから穂先を突き出されれば避ける事は難しいと思います。しかし逆にこちらが秘していると思っていた場合に向こうが手の内を知っていれば、その手は破れてしまいます。江戸時代には技を秘して見せなかったのもそうならないためで現代においても公共の武道場で他流派の方が稽古しているのを見るのは慎まなければならない事です。
 また、実際にあってはならない事態に遭遇した場合、相手はどのようなものを隠し持っているかも知れず相手の得物をとったとしても絶対に油断はできません。競技ではないので、それで終わりと言うことはありませんから。


 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。詳細は後日お知らせいたします。


 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/05(土) 21:25:50|
  2. 武道史

念仏(『甲子夜話』より)

 加藤清正、其子某に語たりと聞く。曰ふ、われ秀吉公に従て、はじめて一番鑓をせしとき坂を上ると向ふに適あり。夫と行合て戦はじまる。其時目中には何か向ふは暗闇の如にて一向分らず。其時目をねむり、念仏を唱て、其闇の中に飛込て鑓を入たるに、何かてごたえしたると覚へしが、敵を突留たるなり。夫よりようようと敵味方も見分たり。後にて聞けば、其時の一番鑓なりしと云へりと。

 おなじような話は『葉隠』にも記されていたと思います。誰しもが初めての時には緊張するもので、ましてや命がかかった場合にはなおさらのことだと思います。この話では「念仏を唱て」という所を読むべきかと思います。ただ何もしなかったのではなく心を静める工夫があります。
 何か一つでもこのような事が行えれば随分と心も落ち着くのだろうともいます。

 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。詳細は後日お知らせいたします。


 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/06(日) 21:25:49|
  2. 武道史

柔術の試合(『甲子夜話』より)

 明和の頃か、加藤右計と云たるは柔術に達たる人なり。或とき他の柔術者この技にて仕合をせんことを請たるに、右計云ようは、無用なることなり。とても柔術にての仕合は、勝負して一人は死ぬより外は無しと云たれども、是非にとて承引せず。右計さらばとて立合たるに、彼男組つくと即擲たるに、壁をうちぬきて其身は外へ出即死してける。右計云ようは、いらざること也。是非と云故立合たればこの如きなり。然し彼も達したる者なり。我擲たるとき当身をしたる故、我肋を蹴折たるとて、人に示せしに、其肋骨一つ折れてありしと云。

 この話はよく引用されるお話です。江戸時代の柔術の仕合がどのような形式で行われていたのかははっきりしていませんが、ここに記してあるのはまさしく死合で、このような仕合はなされることは稀であったのだろうと思います。もっとも柔術そのものが現代の格闘技のように他者と素手と素手で勝負をしましょうという目的のものではなかったので、剣術のように仕合いに価値をおかなかったと思います。これは推測に過ぎませんが江戸時代の終わりに一部で柔術の仕合(組打稽古)が行われるようになったのは剣術の組打稽古の逆影響もあったのではないかと考えています。

 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。詳細は後日お知らせいたします。


 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/07(月) 21:25:43|
  2. 柔術 総論

全く新しい事ではないのです

 無雙神傳英信流抜刀兵法でも澁川一流柔術でも始めて稽古される方は、こんな動きはしたことがなく、全く初めて行うと思われ難しいと感じられるようです。
 ひととしとってから稽古を始められる方は、そう感じられるのも無理からぬ事です。しかし、全く初めてと感じられるのは記憶が無いだけのことに過ぎません。
 たとえば立ち姿で股関節や膝や足首の無駄な緊張をなくしゆったりと立って下さいと指導すると、多くの方はこんなに膝や足首を曲げるんですかと驚かれます。実際は曲げているわけではなく緊張を無くしているだけですのでどこにも負担はかからないのですが、自ら曲げてしまえば体の調和を失い体が偏るために体重をささえなければならなくなり多くの方は腿の筋肉を緊張させています。
 しかし、このような立ち方は赤ん坊であれば誰でもが行っている事で、初めてと感じるのは記憶を失っているに過ぎません。
 刀や棒を手にして極端に肩に力みが入り、肩が体から離れてしまっている方も多く、指導すると、こんなに力を抜くのかと、思われるようです。しかしそのような動きも赤ん坊の時には経験しているのです。私は、まだ立てず這い這いと座る事しか出来ない赤ん坊がおもちゃを手にする時、力任せに持ち肩が体から遊離するというのをほとんど目にした記憶がありません。
 一度、行った事があるのですから求めれば必ずできるはずの事です。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/08(火) 21:25:46|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

第34回日本古武道演武大会雑感

 2月6日(日)、日本武道館において日本古武道演武大会が行われ、演武してきました。
 今回の演武は演武者を厳選した流派が多く演武人数は少ない流派が大半を占めました。今後もこの傾向は続くと思いますので渋川一流もそれに習おうと思います。また演武は素人の方が見ても楽しめるように一つの流れがあるように組み立てている流派が多いように感じました。演武者を一定の実力のある者に厳選すれば、流れのある演武をすることは可能になりますので各流派ともそのような方針をもたれたのではないかと思います。
 各流派の演武を見て感じることですが演武者の力量には差があるのでしょうが、動きや業、間の取り方などはすべて同じ色でした。つまりその流派の宗家や代表者・指導者による指導を自分の考えを聊かもまじえることなく、そのまま吸収しようと勤めておられるのです。そうでなければ同じ色になることはありません。翻って私たちの道場を見るときどのような状況でしょうか。各人よく考えて頂かなければなりません。

 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。詳細は後日お知らせいたします。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/09(水) 21:25:31|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

小尻(背中に目はついていません)

 演武会で他流派の方達が演武前に刀礼を先に済ませてから演武場に出ようとされていました。狭い場所に密集して刀礼を行なっておられるので危ないなと思いましたが、案の定、立ち上がろうとしていた人の小尻がまだ後方に座っていた人の顔に当たってしまいました。
 刀を腰にすると自分の体は小尻のある左後方と、柄のある前方に広がってしまいます。柄は目に入るのですが、後方は目に入りません。したがって自分の体が広がっているということが意識できなければこのような事故が起こってしまいます。また相当なレベルになければ自分の体が広がっていると意識するのは難しいことです。仲間内での事故でしたから良かったのですが、これが他流派の方に対して起こったことであったら、どのようになるかわかりません。また拍子で目に強く当たることも考えられます。背中には気をつけておかなければなりません。

 久留米道場の稽古記録が更新されています。お読みください。

 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。詳細は後日お知らせいたします。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/10(木) 21:25:22|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

思いやり

 上京した折、航空自衛隊の幹部候補生学校の同期が緊急で同期会を開いてくれました。約40人居た同期のうち、東京近辺の部隊に居る10名近くと私のように退職している2人が集まってくれ大変楽しいときをすごしました。約25年ぶりにあったのですが1年間幹部候補生学校でおなじ屋根の下で暮らし苦楽をともにした同期ですので久しぶりにあったという感じが全くなく1年ぶりくらいにあった感じしかしませんでした。本題ですが、宴会が終わって駅まで歩いていると車椅子で坂を上るのを苦労している方が居られました。その瞬間、空幕に勤務している同期がさりげなく車椅子を押していました。その動きが自然で優しく思わず見とれてしまうほどでした。日本の航空自衛隊を背負っている同期を誇りに思いました。
 研師の上田先生と歩いていたときのことです。横断歩道で待っていると自転車に乗って道路を横切っていた女性の何かが落ちました。間に髪を入れず上田先生が女性に優しく声を掛けられ、さっと小銭を拾われ、まだ自転車に乗って何が起こったかはっきりわかっていない女性に手渡されました。あっというまの行動でした。武術であればまさしく達人の働きです。見習おうとしても難しいことだと感じてしまいました。

 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。詳細は後日お知らせいたします。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/11(金) 21:25:25|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

弓の的(『甲子夜話』より)

 今大的とて、御旗本御家人などの射る物は、憲廟より前は、人形と云て、五尺ばかりに紙を長く継ぎて、掛幅の如くし、竹竿にかけて射たりしを、憲廟の御時、治世に人がた射んこと不祥にして且不仁也と有りて、これを改められ、竹を曲げて輪とし、今の大的の大さに為て、其中を通りたる箭を中りとしけり。然を又徳廟の御時、其物に中りて響なきは快ちよからずとて、今の紙にて張る的を制して射さしめらる。是よりいづ方も今の的になりしと也。先年同姓右衛門〔信義〕語れり。

120小牧・長久手


 弓道の的についてのお話ですが、どこまで正確であるかはわかりません。今の弓道と異なり当時の弓は遠くを射るだけでなく至近距離からも射ていますし、戦場では集団戦に用いられるだけでなく、個人の戦いにも用いられていました。写真は小牧長久手の戦いを描いたものです。騎射ではなく歩射のことを云っているのだと思いますが、合戦絵巻などを見ますと鑓や刀などを用いている武士の他にも鉄砲のように集団ではなく個人で弓矢を用いている図も描かれています。紙を人形(ひとがた)にして的としたということも考えられることだと思います。
 古武道においては明治以降、生活習慣が大きく異なったために、稽古着ひとつとっても、また刀の指しようや下緒の用いようについても実際にははっきりしないことがあります。故実を探る努力は捨ててはならないと思います。
 下緒については、江戸時代の絵などから袴にとうさないという説もありますが、稽古の時にはどうであったのかという江戸時代の絵は残されていません。植田平太郎先生は下緒を袴にとうされていたようですので、細川義昌先生は稽古においてはそのようにしておられたのだろうと推測できます。もっとも細川義昌先生の二本指しの江戸時代の普段の服装を描いた肖像では普通に大刀の下緒は鞘にからませてあるだけです。

 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。今回の講習会は大森流の基本である「初発刀」「左刀」「右刀」「当刀」「陰陽進退」、英信流の基本である「横雲」「虎一足」「稲妻」を中心に稽古します。詳細は後日お知らせいたします。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/12(土) 21:25:57|
  2. 武道史

槍の鞘(『甲子夜話』より)

 鎗は古代は皆ぬき身なり。今用る鞘の始め不詳。或人曰。其始は油紙にて包みたるなるべし。今、井伊氏の黄革の鞘、本田中書の油革の鞘など中結をせし製、乃油紙にて包たる時の形かと。いかさま御開創の旧家なれば然るべし。

 昨日は弓の的についてのお話ですが槍の鞘についても聞いて見なければわからないものです。知らずにいたら古い鞘であっても革製だから木製のものに比べてつまらぬ物と思うかもしれません。知らない者にとってはたとえ価値あるものでもゴミにしかならず。貴重な槍術の防具を虫食いだからと処分されたり、御祖母様が明治時代に授かっておられた柔術の免許皆伝の巻物を虫食いだからといって捨てられたり、神社の建て替えの時に建築業者が江戸時代の貴重な武術奉納額を多量に処分していた事を武道史の調査の過程で経験しています。
 よくわからぬものがあったら、一体どのようなものであるのかを知識のある方に確認したほうが無難です。


 貫汪館ホームページに第34回日本古武道演武大会の写真を載せました。
久留米道場のHPの久留米の武道史のページに大石神影流を載せました。お読み下さい。
久留米道場の稽古記録が更新されています。お読みください。

下記の日程で久留米道場で指導いたします。興味のある方は久留米道場の連絡先へ御連絡ください。
2月19日(土) 久留米市北野体育センター体育館   18:00~21:00
  20日(日) 久留米市勤労青少年ホーム 軽運動室 9:00~13:30

 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。今回の講習会は大森流の基本である「初発刀」「左刀」「右刀」「当刀」「陰陽進退」、英信流の基本である「横雲」「虎一足」「稲妻」を中心に稽古します。詳細は後日お知らせいたします。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/13(日) 21:25:55|
  2. 武道史

一生懸命稽古しているのに

 いつもお話しているように、一生懸命に稽古しているのにできない方に共通するのは素直さがないということです。指導された最も大切なことを稽古しようとせず、外形ばかり求めいかにもやったような感じになり満足していれば業は絶対に身につくことはありません。
 私は多くは教えませんし、一つのことを教えてもなかなか次は教えないことがあります。それは教えた事ができていないからです。基礎となる事が習得できていないのに次のことを教えることはありません。武術は形の手順を覚えることではなく、形を通じて自由自在を習得しているのですからその形の基礎となるものを教えています。
 したがって形の数をたくさん覚えていても、知っている形が少ない方のほうが実際には上手だということがあるのです。ところが素直でない方は私が教えることよりも自分がこれが武術だと勝手に考えていることを優先して稽古します。そしてどんどん遠ざかっていきます。2年遠ざかって行けば戻ってくるのに2年かかります。しかし、戻ってくる間自分の価値観が正しいと信じる心が少しでも残っていれば、1年2年と余計な時間がかかってしまいます。そうなればたとえ4年5年先に稽古をしている方よりも初めから素直に2年間稽古している方のほうが上達するのは当然のことなのです。
 もう一度、自分がどのように稽古に取り組んでいるのかを省みて下さい。

 貫汪館ホームページに第34回日本古武道演武大会の写真を載せました。
久留米道場のHPの久留米の武道史のページに大石神影流を載せました。お読み下さい。
久留米道場の稽古記録が更新されています。お読みください。

下記の日程で久留米道場で指導いたします。興味のある方は久留米道場の連絡先へ御連絡ください。
2月19日(土) 久留米市北野体育センター体育館   18:00~21:00
  20日(日) 久留米市勤労青少年ホーム 軽運動室 9:00~13:30
 


 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。今回の講習会は大森流の基本である「初発刀」「左刀」「右刀」「当刀」「陰陽進退」、英信流の基本である「横雲」「虎一足」「稲妻」を中心に稽古します。詳細は後日お知らせいたします。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/14(月) 21:25:20|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

方向

 形稽古で上達しようとするのは非常に細い道を歩くようなもので少しでも踏み外してしまえば上達をしなくなります。それどころか道を踏み外した事に気付かなければどんどん遠ざかっていくのはお話したとおりです。指導者は道を踏み外さないように方向を示していますが最終的にどこを歩むのかは歩いている本人がきめていることです。
 いくらこちらだと示しても少し方向を修正してそれで良しと自己満足すればやはり道から外れてしまいます。方向が90度くるっているのではなく1度でもくるっていて、それで良しと思い、先に進めばやはり道から外れてしまうものです。
 指導者が何を指導しているのか、自分は何をしなければならないのか本気で繊細に求めなければ遠ざかっていくばかりです。

 下記の日程で久留米道場で指導いたします。興味のある方は久留米道場の連絡先へ御連絡ください。
2月19日(土) 久留米市北野体育センター体育館   18:00~21:00
  20日(日) 久留米市勤労青少年ホーム 軽運動室 9:00~13:30


 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。今回の講習会は大森流の基本である「初発刀」「左刀」「右刀」「当刀」「陰陽進退」、英信流の基本である「横雲」「虎一足」「稲妻」を中心に稽古します。詳細は貫汪館HPの無双神伝英信流の稽古のページをお読みください。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/15(火) 21:25:10|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

初心の内の稽古

 まだ右も左も分からない初心者の内の稽古は少しでも間違えれば取り返しのつかないことになってしまいます。
 ところが、間違った稽古をしていても、間違った稽古であるが故に刀を振れば腕力もつき、相手を投げ抑えていれば筋力もつきますので自分では上達したと勘違いし、ますます取り返しがつかないことになてしまいますので厄介です。
 一歳とって稽古を始めた場合には初心のうちにはわけがわからなくなるのが正しい姿です。今までの人生が長ければ長いだけ、時代劇のようにただ刀が速く振れるのが良いのだとか、試し斬りをするのを見て、力強く刀を振って両断するのが良いのだとか、殺陣をみて素手では筋力とスピードでで相手を制圧するのが良いのだとか言う先入観が生まれています。
 しかし、刀は静にゆっくり振れとか、相手を投げるのに一切力むなと言われればと惑うのは当たり前です。今までの先入観にはない事を求めているのですから。
 たいていの方はこの時点で混乱します。今まで良いと思っていたものが否定され、全くイメージしていなかったものを求められるのですから当然です。中には自分は時代劇にあこがれて武術を始めたのだから今の自分でよいのだと考えられる方も居られます。それ故、私達の道場では人を選んでいます。時代劇のようにはじめから動きたい人には私達の道場の稽古はむかないのです。
 それでも、稽古をされたいと入ってこられた方の稽古される態度は唯一つです。教えられる通りに聊かも私心を交えず、ただひたすらに稽古をする事です。聊かも私心を交えてはいけません。教えられたとおりにゆっくり動くと力むからといって速く動こうとするのは私心です。教えられたとおりに力を抜いていたら相手の拳をかわすことが出来ないからと言って蹴って動くのも私心です。出来ないから稽古するのです。
 昔、私が師匠に習っていた頃、教えられたとおりに稽古をせず、自分はこの方が上達すると自分勝手な稽古を自分でしてきては「どうですか」と先生に見てもらう方が居られましたが、いつも先生は「あれだから上達しないどころか、ますます下手になっていく。」と言っておられました。
 

 下記の日程で久留米道場で指導いたします。興味のある方は久留米道場の連絡先へ御連絡ください。
2月19日(土) 久留米市北野体育センター体育館   18:00~21:00
  20日(日) 久留米市勤労青少年ホーム 軽運動室 9:00~13:30


 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。今回の講習会は大森流の基本である「初発刀」「左刀」「右刀」「当刀」「陰陽進退」、英信流の基本である「横雲」「虎一足」「稲妻」を中心に稽古します。詳細は貫汪館HPの無双神伝英信流の稽古のページをお読みください。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/16(水) 21:25:18|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

逆刀・勢中刀について

 逆刀・勢中刀の想定は敵が立ってこちらに斬りつけてきます。したがって二つの型ともに初動は自分より高いところに敵の顔があることになります。
 二つの形ともに初動は半歩踏み出すのですが、この半歩に意味があります。踏み出した時は敵の動きがまだ定まっておらず、自分自身がどのようにでも動けるように半歩踏み出しているのです。ここを間違えてしまうと居合の形としての意味がなくなってしまいますので心しなければなりません。間違いは二つの形ともに後方にさがるのだとあらかじめ計算して動いてしまう事です。それではどのようにでも動ける居合にはなりません。あくまでも柄頭を敵に向けた時点ではニュートラルでなければならないのです。その後敵が切りかかってくるのでそれに応じます。
 ほんの僅かな事ですが居合が生きるか死にものになるかの分かれ目ですので、しっかり心に留めて稽古してください。


 下記の日程で久留米道場で指導いたします。興味のある方は久留米道場の連絡先へ御連絡ください。
2月19日(土) 久留米市北野体育センター体育館   18:00~21:00
  20日(日) 久留米市勤労青少年ホーム 軽運動室 9:00~13:30


 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。今回の講習会は大森流の基本である「初発刀」「左刀」「右刀」「当刀」「陰陽進退」、英信流の基本である「横雲」「虎一足」「稲妻」を中心に稽古します。詳細は貫汪館HPの無双神伝英信流の稽古のページをお読みください。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。  
  1. 2011/02/17(木) 21:25:47|
  2. 居合 業

武備(『甲子夜話』より)

 砲工国友藤兵衛〔近江の国、国友村に住す。官の鉄砲張なり〕、加州金沢城中に入て其家屋をもみたりしことを語る中に、書院の縁側の天井を箭(や)天井と称して、広き間なるが一面に箭を組合せたるなり。鏃も具して見ごとなり。定めて今候の物好にはあらで、いぜんより軍用の手当なるべし。予因みに云ふ。先年かの居城焼けたることあり。其時家屋の瓦鉛なるが、悉くとけ流て雨の如く零たれば、近寄こと能ざりしと聞く。問たれば、藤兵衛答ふ。相違なし。今も城中の瓦は皆鉛と銅なりと語る。然ばこれも軍用なるか。又は寒国故の事か。

 城中の備えとして矢を並べて天井にした備えが語られ、また瓦が鉛であるのは銃丸のためではないかと推測されています。このような備えはお城のことだけであったのではなく、武家屋敷にあっては槍や薙刀はしまいこまれず、すぐに手にできるところに掛けられていますし、次の間にすぐに移れるように工夫され、壁の下方が通過できるようにされた工夫もありました。
 現代ではそのような工夫がなされた家屋はありませんが、備えということであれば台所の目に付くところに包丁を置きっぱなしにして泥棒の武器にしてしまわないように用心しなければなりません。また火事や強盗などの万が一の場合には部屋のどこから避難できるのかも常日頃から考えておかなければとっさに行動するのは難しいでしょう。




 下記の日程で久留米道場で指導いたします。興味のある方は久留米道場の連絡先へ御連絡ください。
2月19日(土) 久留米市北野体育センター体育館   18:00~21:00
  20日(日) 久留米市勤労青少年ホーム 軽運動室 9:00~13:30


 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。今回の講習会は大森流の基本である「初発刀」「左刀」「右刀」「当刀」「陰陽進退」、英信流の基本である「横雲」「虎一足」「稲妻」を中心に稽古します。詳細は貫汪館HPの無双神伝英信流の稽古のページをお読みください。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/18(金) 21:25:06|
  2. 武道史

槍術(『甲子夜話』より)

 本田氏譜弟(ふだい)の士、小野某に言伝しは、中書忠勝は世に所知の驍勇なるが、鎗術は下手なりしと。中書老後まで鎗は殊に熱心にて、家臣を相手にして、日々のように修行することなり。然るに相手の若士どもに中書入身をするに、殊のほか拙技にて、自由につかれしと也。また人の入身をつくにも、鎗聞かず、自身にも残念に思われしや、ひたすら修練怠らざりしと。常はかくのごとくなるに、軍場に臨みて敵と戦ふときは、其技の絶倫、世の云ふ所の如くなりしと。思の外の咄なり。

 戦場での働きがすばらしい武士でも普段の鎗の稽古では、入身をしても相手に突かれ、入身の者をついても鎗先がはたらかず上手ではなかったということです。槍術の入身とは長い鎗を持った相手に短い鎗を持ったものが手元に付け入り突く稽古で、長い鎗を持ったものは手元に入られる前にこれを突き止めます。槍術では江戸時代後期に盛んに互角の稽古が行われるようになる前は入身稽古が一般的に行われていたようです。
 戦場では目覚しい働きをするものが普段の稽古ではそうでもなかったという話はよく聞くことです。逆に火縄銃の達人で飛ぶ鳥を落とす技を持っていたものが戦場では当たらなかったという話があります。
 この話には続きがありますので明日読んで下さい。

 本日、柳河の古文書館へ行きました。古文書館の資料は豊富でいくら時間があっても足りません。柳川は日差しが暖かで古文書館の近くには梅が咲いていました。

柳川no梅DSC_0774



 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。今回の講習会は大森流の基本である「初発刀」「左刀」「右刀」「当刀」「陰陽進退」、英信流の基本である「横雲」「虎一足」「稲妻」を中心に稽古します。詳細は貫汪館HPの無双神伝英信流の稽古のページをお読みください。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/19(土) 21:25:29|
  2. 武道史

素肌物と甲冑物(『甲子夜話』より)

 林氏前条をみて云ふ。技術の人を助くるは少なからざることなれども、真剣の勝負に至りては其人に存する故、しかあるべきことなり。況や先頭の鎗と云ふものは扣きふせる位のこと多きなるべし。昔血戦を経し御旗本衆、其名は忘たり。太平の後、途中にて狼藉者に出逢、抜合せて斬りたるとき、殊の外切あしく、やうやうにして切留たり。其佩刀軍陣の度ごとに用ひし所の物なりしが、自身も此時に至り、初めて其刀の切あしきに驚きて、出陣の時は甲冑の上より扣き伏せる所を第一に用ひて、いつも利方ありしが、素肌を立派に切んとしては用法違う故に、既に不覚を取らんとせしと云しとなり。武器も素肌物と甲冑物とは、
銕味の利方別なるべし。其用ひ方も同じ。是等心得あるべきことなりと云けり。



 研師の上田先生にも太刀は叩くように作られているという御話を伺ったことがあります。所謂蛤刃で斬るには向かないのだと思います。鎗も戦場では叩くことが多かったと聞きますし、そのような形を残す流派もあります。甲冑を着たときには鎧はずれの空きどころを斬り突くのだという話も有りますが、話にあるように叩き伏せて首を取ることも多かったのではないでしょうか。大身の鎗といったものも鎗で切るのではなく叩き伏せるのに便利であったのではないかと思います。
 林崎甚助は室町時代から安土桃山時代頃の人ですが居合に用いた太刀はどのような形状をしていたのか正確に知りたいところです。
 

 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。今回の講習会は大森流の基本である「初発刀」「左刀」「右刀」「当刀」「陰陽進退」、英信流の基本である「横雲」「虎一足」「稲妻」を中心に稽古します。詳細は貫汪館HPの無双神伝英信流の稽古のページをお読みください。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/20(日) 21:25:29|
  2. 武道史

「下げもん」

 写真は柳川で雛祭りの時に用いられる「下げもん」を周囲に飾ったひな飾りです。柳川古文書館に飾ってありました。
 さてこの「下げもん」ですが大石神影流と関係があると大石先生から伺いました。
 大石進は突きの稽古をするときに始めこの「下げもん」の毬を目標にしていたそうです。しかし、突きの上達とともに毬の損傷が激しく、すぐ壊れるようになったためやがて毬の代わりに石をつるして、それを突く稽古をしたという事です。
 しかも、その石が砕けるようになってしまったというのですから半端ではない稽古です。、また一度突いて揺れているのを続けて突く稽古をしたといいます。随分昔、私もこのような方法を試みたことがありますがとても難しいことでした。

下げもんDSC_0768



 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。今回の講習会は大森流の基本である「初発刀」「左刀」「右刀」「当刀」「陰陽進退」、英信流の基本である「横雲」「虎一足」「稲妻」を中心に稽古します。詳細は貫汪館HPの無双神伝英信流の稽古のページをお読みください。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/20(日) 21:26:50|
  2. 剣術 総論

久留米での稽古(1日目)

 前回上達されていた方が今回まで良い稽古を続けておられるので、少し手直しするだけでグンと上達されます。本人はそれほどの違いがあるとは思われていないかもしれませんが、正しい稽古を重ねていればほんのわずかの手直しであっても見違えるように変化するものです。
 「力を込めなさい」とか「固めなさい」というように修正(修悪?)するのならわかりやすいのですが、力を抜かせ滞りをなくして修正するのですから、どれほど良くなったかは本人は分かりにくいと思います。
 良い稽古を続けるとはどういうことかというと、流派の中で踏まえていかなければならないことを自分に妥協せず、また、いささかも私見を加えず教えられたままに稽古し、指導された事と異なる動きをしてしまったらそれに気づくことです。
 逆に駄目な稽古をしていたら下達してしまいますが、駄目な稽古とはどういう稽古かというと、試験を加え教えられたことを自分の考えで自分に都合のよいように変えながら稽古することです。一つ一つの積み重ねによって知らず知らずに上達するものであるのに、一足飛びに上達したかのように感じたく法にかなわなくても我儘にただ自分の都合のよいように稽古することを言います。
 この駄目な稽古は自分自身では気付きにくいのですから厄介です。私見を交え我儘に稽古しているにもかかわらず、御自身は自分は正しく言われたことに忠実に稽古していると思い込む場合がほとんどです。
 常に自分を「これでよいのか」と疑っていなければなりません。
 

 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。今回の講習会は大森流の基本である「初発刀」「左刀」「右刀」「当刀」「陰陽進退」、英信流の基本である「横雲」「虎一足」「稲妻」を中心に稽古します。詳細は貫汪館HPの無双神伝英信流の稽古のページをお読みください。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/21(月) 21:25:32|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

久留米での稽古(2日目)

 2日目の稽古では大森流の「初発刀」から「陰陽進退」までと英信流表の「横雲」「虎一足」「稲妻」を稽古し、其後太刀打ちの稽古をしました。
 素抜き抜刀術では文字通り秘伝である呼吸法を伝授しましたが、秘伝といっても怠っていては身につくものではありません。幸いに生きていれば呼吸をしているわけですから稽古の時間は十分に有ります。この呼吸法なしでは次のステップにいけませんのでしっかり身につけてください。

 正したことを以下に述べます。
 「鞘引きは左手に力を入れぬこと。」鞘引きが不十分であったからといって左手に力を入れてしまうと左腰の働きにまでブレーキがかかってしまいます。鞘引きのときの左手は文字通り鞘を後方に下げるだけの力以上は絶対に用いてはなりません。力を込めてしまうのは鞘引きをしているという実感を覚え自己満足しているに過ぎません。
 「切先が鞘から離れた後に右手を使わぬこと。」抜きつけの刀の威力がないからといって、切先が鯉口から離れた後に少しでも刀を右手で振ってしまうと、ただでさえ威のない刀がますます死んでしまいます。抜付けはあくまでも抜付けであって、抜いた後に振ると言う動きはしてはなりません。刀に威がないのは切先が鯉口から離れるまでの動きが悪いことを知らなければなりません。
 「振りかぶりで、体を前傾させぬこと。」刀を振りかぶった時に体が少し前傾してしまうのは、一つには上半身中心に刀を運剣してしまっているからです、また速くきろうという心も自分の動きを乱してしまいます。
 「刀は正しく振りかぶること。」これは前条と同じ内容ですが、せっかく斬撃の稽古で刀を振りかぶったときの頂点を体で知っているのに、方ではそこを通らないのは心が焦っているからです。また通るべきところを通っていなければ、刀の威もあるはずはない事に気づかなければなりません。
 「大森流の血振いは刀を振回しません。」大森流の血振いは吊り下げたところから右手が少し身体の後方を上昇した後に下方に落ちるだけです振ろうとするために崩れが生じます。
「太刀打ちは素抜き抜刀術の身体遣いで。」木刀を手にしてしまうとこころが木刀に取られ、上半身中心で動きがちになるのですが、今の段階で形を見事にまた上手に使う必要はありませんので、しっかりと基礎の動きの上に積み重ねていってください。

 下の梅の写真は久留米市内の寺院の梅です。以前も乗せた事があると思いますが、今年は時期的にまだ少し早いようでした。
久梅DSC_0792 久梅DSC_0795
久梅DSC_0797 久梅DSC_07981


 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。今回の講習会は大森流の基本である「初発刀」「左刀」「右刀」「当刀」「陰陽進退」、英信流の基本である「横雲」「虎一足」「稲妻」を中心に稽古します。詳細は貫汪館HPの無双神伝英信流の稽古のページをお読みください。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/22(火) 21:25:23|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

「岩波」の突き

 英信流表の「岩波」の突きは、相手の肋骨を貫く突きでなければなりません。そのためには手先の技であってはならず体全体で突く必要があります。ただし体全体で突くといったら体を力ませて固めて突くのが体全体でつくことだと勘違いしてしまう方も居られますので、ヒントを述べておきます。
 
 刀の重さを足の裏で感じる事
 突く前も突いた後も固まらぬ事
 刀を中心とした両肩・腕刀の角度は突く前も後もほとんど変化しない事
 両手の間隔は開いていても、右手の内と左手の内は刀を通じて一つになっている事
 突きは尾てい骨の動きによる事 

 以上に述べた事を目安にして稽古すればおおむねできるようになると思います。工夫してください。

 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。今回の講習会は大森流の基本である「初発刀」「左刀」「右刀」「当刀」「陰陽進退」、英信流の基本である「横雲」「虎一足」「稲妻」を中心に稽古します。詳細は貫汪館HPの無双神伝英信流の稽古のページをお読みください。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/23(水) 21:25:44|
  2. 居合 業

ある本の書評

 ある武士に関する本を読んでいたら間違いがあったり、誇張されていたりするので少し述べておきます。
 居合の稽古の時に二刀を指していないのをまるで素浪人のようだという記述がありましたが、稽古であるからこそ一刀で稽古する流派もあったのだという事実も知らなければなりません。また抜刀道という記述もありますが抜刀道という江戸時代にないものを引き合いに出すのは良くわかりません。
 藩という名称は明治の廃藩置県の時にできたと記述されていますが、江戸時代の後期の武士の日記や門人帳、英名録などには当然のように土佐藩、柳河藩などといった使われ方がなされています。
 武士は雨が降っても傘はささなかったというような記述もありますが、直心影流 井上伝兵衛は雨の中傘をさしているところを刺客に襲われています。また広島藩の貫心流の師範である初代の細六郎は突然刀で切りかかってきた暴漢を傘で圧倒し、説諭したことで広島藩で高名になっています。傘を絶対に差さなかったというのはありえません。
 柳生石舟斎と徳川家康の無刀での立合いでは何かを家康の顔面に投げつけたと見るのが心得のある武術家の常識であるとも述べられていますが、既に大身の徳川家康が無刀の技を所望した時にそのような無礼が許されるかどうか・・・。
 坐礼は必ず左手右手と出すようにも書かれていましたが、小笠原流では必ずしもそうではありません。
 現代では無人の公衆トイレに入る場合、ドアの閉まった個室に入る時には用心のため足で蹴って入るのがよいとありましたが、公共物にそんなことをしてよいかどうか。
 柔術の試合にも言及してありましたが、襟の取り合いで始まるのではなく、遠間で構え足、拳を使う機会をうかがったと記述してあるものの、出展はありません。江戸時代に柔術に試合が広範囲で行なわれたかどうか、またどのような試合だったのかは武道学会でも明らかになっていません。試合を全くしない流派も多く、相撲のように組んだところから始まる流派もあったようで実態がわからないのです。刀のある時代に今の総合格闘技のような試合をしても意味がありません。江戸時代の武士に素手と素手で命のやり取りをしようという考え方は無かったからです。藩校などの記録では形ではなく組打稽古をさせたとある藩もあり、乱捕り形式の稽古が行なわれていたと考えられますが、実態はよくわかりません。
 宮元武蔵の二刀流は馬上武者を夢見たことからであった。ともありましたが武蔵の五輪書を読めばなぜ二刀なのかはわかります。
 武士は安易に離婚はしなかったと記されていますが、それこそ地方ごとにことなっていたのではないかと思います。土佐藩の資料を見る限り、現代人よりも離婚再婚が多かったのではないかと思うほどです。また離婚された女性も他家に嫁いだことも記されています。
 外にも色々とこれは?と思える記述がありました。私が言いたいことは刊行されている本を全て安易に信じてしまってはならず、特に歴史に関することは可能なら責任のある研究者が記した書籍を読むほうが無難であるということです。それでも間違いがある可能性はあるのですが、利潤を得るために本を売ろうとして記された方の書籍よりはよほど無難だと思います。


 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。今回の講習会は大森流の基本である「初発刀」「左刀」「右刀」「当刀」「陰陽進退」、英信流の基本である「横雲」「虎一足」「稲妻」を中心に稽古します。詳細は貫汪館HPの無双神伝英信流の稽古のページをお読みください。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/24(木) 21:25:34|
  2. 武道史

資料調査

 先日久留米に行った際、柳河古文書館を訪れたことについては触れましたが、ある大学の文書目録を確認するためでした。久留米の剣術家である加藤田平八郎の家はその息子である加藤田大介が大正年間になくなることで終わっています。加藤田家の資料は加藤田大介の門人に受け継がれ、それを戦前に大日本武徳会が筆写し残したものを、学会の先生方は見る事ができる状況にあります。
 加藤田大介から受け継がれた資料の持ち主の所在はわかっていないのですが、その資料の一部がある大学にある事がわかったので、文書目録を調べたわけです。結果としてすべてがある大学に存在するのではなく、一部が其大学に存在するという事実がわかりました。しかも大学教授が私的に集めたものののなかにあるのですから、ひょっとしたら古書店に売りに出されていたものかもしれません。そうなると加藤田家の資料は散逸してしまったことになるので非常に残念です。
 ねがわくば加藤田家の資料の所有者から一時的に借りていたまま大学教授が亡くなられたということであれば良いのですが。
 久留米で加藤田家の墓参りに行きました。今は加藤田家は絶えていますので無縁となっています。左側の墓石が加藤田大介の墓で右側が加藤田家の墓です。加藤田大介は千秋と号しました。加藤田平八郎の墓石もあったに違いないのですが、現存しません。残念なことです。

加藤田DSC_0801



 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。今回の講習会は大森流の基本である「初発刀」「左刀」「右刀」「当刀」「陰陽進退」、英信流の基本である「横雲」「虎一足」「稲妻」を中心に稽古します。詳細は貫汪館HPの無双神伝英信流の稽古のページをお読みください。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。 
  1. 2011/02/25(金) 21:25:08|
  2. 武道史

力を10分の9抜く

 初心者の方にいくら力を入れないで下さい。力まないで下さいといっても、ご自身では力んでいないつもりか、力を入れて居ないつもりか、一向に体の無理無駄な力がなくなりません。そのままでは手馴れた動きになることはあっても、何時まで稽古しても何度稽古しても上達する事は絶対にないのですが理解できないようです。
 先週は「体の力を10分の9抜いて残りの10分の1だけで動いてください。」と居合を稽古する方にも柔術を稽古する方にも指導してみました。すると初めて力を入れられなくなりました。言葉を変えて言うとやっと指導を受け入れることが出来る素直な初心者になれたということです。
 当然の事ですが、業も身についていないその状態ではまともに立つ事も動く事も出来ません。今まではその状態の10倍力んで体を支えていたのですから、中心線が真っ直ぐでなくても崩れる事は無かったのですが、その状態になれば中心線が通っていなければ崩れてしまうのです。
 やっと真っ直ぐにたつ稽古が始まったわけです。道のりは長いのですがスタートラインに立っていなければ上達する事は絶対にありません。この状態からのみ技の稽古が可能になります。焦らずにしっかりと工夫して会得してください。


 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。今回の講習会は大森流の基本である「初発刀」「左刀」「右刀」「当刀」「陰陽進退」、英信流の基本である「横雲」「虎一足」「稲妻」を中心に稽古します。詳細は貫汪館HPの無双神伝英信流の稽古のページをお読みください。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。
  1. 2011/02/26(土) 21:25:27|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

狐(『甲子夜話』より)

 邸隣に住める人の曰。某(それがし)幼少のとき、上野山下の根岸に住す。其とき山より老狐出て能馴れ、後は食を与れば屋中に入て人傍に在て食ふ。この狐、人のみに非図、禽類をもばかすと覚へて、一日烏来て樹杪に在り。かの狐其樹を回れば、烏飛去ること能わず。狐樹下に居て頭を揺らせば、烏も樹上に在て亦頭を揺す。一切狐の為すが如くせり。然れば血気あるものは、飛走の類も惑すものと見へたり。

 武術のお話ではありませんが、『甲子夜話』には狐や狸が人をばかす話や雷が落ちたときにそこに現れる雷獣の話が出てきます。狐や狸が人をばかすのは当然のこととして考えられており、雷獣については猫より少し大きい獣であると記されています。
 現代人は狐や狸が人をばかすことはないと思い、雷が落ちたときにそこにすぐに近寄ることもありませんし雷獣などの存在は信じないと思います。
 もし存在することはありえないと思っていたものが存在していたら完全に裏をかかれてしまうことになります。武術においては「知らないものは存在しないのだ。」と考えるよりも、世の中には知らないものが多く存在すると考えていたほうが隙は作らないでしょう。
 狸は裏山に住んでいますが、未だに狐が裏山に居たのを見たことはありません、父が子供の頃にはいたということなのですが。狐は私がかって沼田の町を車で走り信号で止まっていたときに青信号の歩道を渡るのを見たことがあります。頭をしっかり前に向け尻尾をぴんと張り、その姿には気品があり、軽やかにゆっくりと歩道を走っていたのですが全く体の重さを感じさせず僅かに宙に浮いているのかと思ったほどです。狐は歩道を渡るとどこかへ行ってしまいました。其姿があまりにも美しかったのでいまだに瞼に焼き付いています。

 久留米道場の稽古記録が更新されています。お読みください。

 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。今回の講習会は大森流の基本である「初発刀」「左刀」「右刀」「当刀」「陰陽進退」、英信流の基本である「横雲」「虎一足」「稲妻」を中心に稽古します。詳細は貫汪館HPの無双神伝英信流の稽古のページをお読みください。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。
  1. 2011/02/27(日) 21:25:47|
  2. 武道史

床の間

 公共の体育館のほとんどの道場には神棚は設置されていません。これは行政が特定の宗教に関わる事を避けるためですが、そのかわりと言っても良いくらいほとんどの道場の上座に床の間がもうけてあります。これは神棚の変わりと考えて良いと思います。
 ところが、公共の体育館の道場ではダンスや体操や太極拳や中国拳法の方など日本の武道とはかかわりを持たない方が練習をされています。そういった方達はもともと神棚や上座という発想をもたれませんので床の間に着替えを置いたり練習道具を置いたり、ひどい場合には腰掛けたりされています。これは知らないから仕方が無いのですが私達日本の武術を稽古するものは絶対にそのような行動をすべきでないのは当然の事です。また万が一稽古に来ている子供達が知らずにそのような行動をとった場合には教え諭さなければなりません。

 貫汪館居合講習会を3月6日(日)に実施いたします。今回の講習会は大森流の基本である「初発刀」「左刀」「右刀」「当刀」「陰陽進退」、英信流の基本である「横雲」「虎一足」「稲妻」を中心に稽古します。詳細は貫汪館HPの無双神伝英信流の稽古のページをお読みください。

 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場の稽古は毎週水曜日 城南中学校剣道場 19時~20時45分です。興味のある方は 無雙神傳英信流抜刀兵法 久留米道場の《稽古日時・場所》に記してある連絡先からご連絡ください。
 無双神伝英信流抜刀兵法 久留米道場のホームページ(←クリックしてください)です。
  1. 2011/02/28(月) 21:25:34|
  2. 居合・剣術・柔術 総論

FC2カウンター


無料カウンター

プロフィール

貫汪館館長(無雙神傳英信流 大石神影流 澁川一流)

Author:貫汪館館長(無雙神傳英信流 大石神影流 澁川一流)
無雙神傳英信流抜刀兵法、大石神影流剣術、澁川一流柔術 貫汪館の道標へようこそ!

カテゴリー

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する

最近の記事

月別アーカイブ